岩波新書<br> 日本の社会保障

岩波新書
日本の社会保障

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  • サイズ 新書判/ページ数 214,/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004305989
  • NDC分類 364.021
  • Cコード C0236

出版社内容情報

高齢化の進行や経済の低成長に伴って,今後が問われている社会保障.医療,年金,福祉など個別分野ごとの議論を総合して全体像を提示する必要がある.歴史的な展開を検証しながら,原理的考察をまじえ,改革の方向性をさぐる.

内容説明

少子・高齢化の進行や経済の低成長に伴って、社会保障の今後が問われている。医療、年金、福祉など個別分野ごとの課題を明確にしつつ、その全体像をとらえる必要がある。原理に溯って考えるために歴史的な展開を検証しながら、二一世紀の福祉国家の姿に迫るグローバルな視点を提出し、「公私の役割分担」を中心に、改革の方向性を提示する。

目次

第1章 福祉国家の生成と展開(福祉国家の歴史的展開;福祉国家の現在―そのモデル・経済との関係・持続可能性)
第2章 日本の社会保障―その軌跡と問題点(日本の社会保障の特徴と評価―経済システムの進化と社会保障;日本の医療・年金・福祉の特徴と問題点)
第3章 社会保障を考える視点(市場と政府―経済学的視点;リスク・情報・規範―倫理学的視点 ほか)
第4章 これからの社会保障―理念・選択肢・方向(社会保障とはそもそも何か;社会保障制度改革の選択肢と方向)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

501

11
実用的というより学術的。そもそも社会保障って何なの、社会の中でどうあるべきものなの、という、現状の制度についてではなく、社会保障の原則を解説し、社会保障の制度が生まれはじめた当初の社会状況から変わった現代の日本にとって今後の社会保障のあり方をどう考え変えていくべきなのかを論じる。社会保障の基本的な部分が学べたのでよかった。2019/11/27

Takao

5
1999年1月20日発行(初版)。「日本の社会保障」というタイトルは誤解を招く。「日本の社会保障」の全体像を概説するような本ではない。「福祉国家」が永遠に続く経済成長を前提としていること、環境問題なども念頭に置き、「持続的」な社会保障であることが求められること、などの視点は考えさせられたが、「社会保障の財源」として「消費税が有力な選択肢」(p194)など、著者の見解に対しては異論がある。年金、医療、介護など社会保障全般をトータルに考えるべきという主張には同意するが、生存権や公的扶助に言及がないのはなぜ?2020/02/13

珈琲好き

4
年金レイプ!福祉国家と化した帝国2015/04/26

伊野

3
1999年の本。筆者は官庁に勤めたのち教授になるという経歴の持主。題名のとおり現在の医療、介護などの社会保障制度の原点について、その原理をロールズを援用するなどして、海外との比較をしながら論じていく。定常化社会への移行や高齢化と環境問題の繋がりなどは現代においてよりいっそう実感されるものであり、理論の的確さを裏付けている。国の制度が福祉における逆選択を防ぐ役割を担うという点が個人的に参考になった。2017/03/01

脳疣沼

3
読む前はちょっと旧いかと思ったが、そんなこともなかった。社会保障の原理に遡った考察がなされるので、今でも通用する。私はロールズ(ニコラス・バー)の無知のヴェールの下での利己的なリスク対処という意味での福祉国家という考えが好きだ。著者の考え方だと国民へのアピールが弱い気がする。あと、地球レベルでの福祉国家というナショナリズムを超えた議論というのは、どうもうまくいく気がしない。イギリスのEU離脱とか、トランプ旋風とかリアルタイムで見ているせいなので、これらの動きが落ち着いたら、また違うんだろうけど。2016/09/20

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