出版社内容情報
30年にわたる地震予知の取り組みの成果をどう見ればいいのか.過去の地震データの解析から予知の可能性を探り,その方法や体制,着実に続けていくことの大切さを論じる.さらに東海地震の予想,注意報の必要性も提言.
内容説明
30年におよぶ地震予知の取り組みの成果をどう見ればいいのだろうか。過去の地震データの解析から予知の可能性を探り、極端な楽観や悲観に流されることなく、今後も着実につづけていくことの大切さを具体的に論じる。長期予測・短期予知の方法をしめし、さらに東海地震の予想、警戒宣言一本やりでない注意報の必要性についても提言。
目次
1 日本の地震予知研究の歩み
2 地震予知の可能性はあるか
3 兵庫県南部地震
4 伊豆大島近海地震
5 日本海中部地震
6 東海地震はおこるか
7 東海地震の注意報問題と社会の対応
8 長期・中期予知の方策と課題
9 短期予知の方策と課題
10 地震災害軽減のために
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
風竜胆
4
すべての地震を予知すると言うのは難しいだろう。しかし、著者の述べているように、「予知できる地震の数を増やす」ということは、地震国日本においては、何よりも取り組んでいかなければならない課題の一つだろう。出来るだけ多くの知見を重ね、それを基に地震に強い国土づくりをすると共に、地震が発生した際の被害を最小限に食い止める。そのような取り組みがもっと加速することを願ってやまない。 2011/04/12
Akiro OUED
2
阪神・淡路大震災を予知できなかったと反省し、GPSなどのハイテクを使った将来の予知に期待する。いまではAIも使える。だけど、過去のデータのパターン認識では、プレートが絡み合う日本の地震予知には歯が立たない。ま、地震が予知できたとしても、震災を防げるわけじゃないけどね。2022/09/09
aochama
0
20年前に発行された本です。当時は、阪神大震災が予知出来なかったとして地震学者は非難されましたが、その時に可能な地震予知とは何だったのか、出来ないはずの予知を前提にした大震法が制定され、振り回された地震学者。挙げ句、基礎研究からやり直しとされ、その時まで積み上げた知見が廃れる一方で、地震動予測地図と緊急地震速報の実用化が進む今日。 著者は、十分な観測網と記録による研究が深まれば、地震予知の可能性は高まるとしています。今は、単に地震予知は出来ないと思いこまされてるのかもしれませんね。 2018/07/23