岩波新書<br> 共生の生態学

岩波新書
共生の生態学

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  • サイズ 新書判/ページ数 235,/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004305460
  • NDC分類 468.4
  • Cコード C0245

出版社内容情報

私たちは日々の活動により,自然環境を破壊しつづけている.では,生物学や工学は,ヒトが自然と共存するための決定的な方法を導き出せるのだろうか.ウシと微生物をはじめ生物相互の共生を見つめ,ヒトと病原微生物の共生から,生態系がもつ自己設計能力をいかしたシステムをつくるエコテクノロジーまで,幅広く共生の可能性を探る.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mae.dat

104
前半はネタバレしたくなる様な楽しい知見に膝を打つけど、後半から「人は自然と共生できるか」と題し、環境問題への話へと展開して行く。本書で扱う環境問題は、主に生態系に関してで、如何にビジネスエコシステムを構築するかについてかな。難しい。内容も、問題点も。でも、大切な事ですね。人任せにせず、みんなで考え取り組むべき課題なのかも。大型動物が生息できる環境保全がその目安になるか。2020/09/25

はりねずみ

6
生態系の平衡状態は生物が複雑に作用し合っているためでそれは人知を超える。面白かったのは、ある細菌と捕食者の原生生物1種ずつを取り出して作った環境下では、捕食者に食べられにくい形に変異した細菌が生き残るが、より自然に近い環境下では、進化した細菌は繁殖できず、従来型の細菌が生き残る話。グーグルがジカ熱などを媒介する蚊を退治するため、不妊にした雄蚊2千万匹を世に放したニュースを生態学者はどう聞いたか。その他、牛は草食動物であり肉食動物でもある話など。胃中の草を細菌が、それを原生生物が、それをを牛が熱源に変える。2017/08/15

taming_sfc

3
栗原康先生による1998年の著作。本書では、生態学的観点から、「共生」について迫っている。特に、読後印象に残ったのは、筆者が生態系の複雑な相互関係について、それを人間が完全に認知するには不可能な複雑さを有する体系として考えていることである。環境問題は、要素還元的な科学的スタイルのみでは解決できないのであって、「分からない」「不確実だ」というところから始まる生態学的思考が、21世紀型環境問題解決のために必要とされているということを、実感させてくれる書籍である。2010/11/05

Nozaki Shinichiro

2
生態系というともはや一般的な用語ですが、その定義と意味について書いている、すこし前の本。筆者の想いが強く出ていてすこし引いてしまうところがあったのですが、内容は考えさせられるものでした。懐かしのガイア仮説も登場。本筋とは全く関係ないですが、ARMSを読み返したくなりました。2017/12/28

めい

2
草食動物の胃袋の中の話から中程までには温室効果ガスの問題まで達する。後半は自然と人間の共生について書かれている。ビーカーの中の実験が地球規模に感じられ複雑さ危うさを感じずにはいられない。2013/05/02

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