岩波新書<br> 交通死―命はあがなえるか

岩波新書
交通死―命はあがなえるか

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  • サイズ 新書判/ページ数 231p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004305187
  • NDC分類 681.3
  • Cコード C0232

出版社内容情報

私たちはいつの間にか交通事故で毎年1万人以上の生命が失われるという現実を当たり前と感じるようになっている.しかし機械的な事故の処理,「生命の値段」の決めかたに異を唱えるのは非常識なのだろうか.交通事故で最愛の娘を失った著者が,事故当夜から刑事裁判,賠償交渉,民事訴訟に至る「人間としての死」を取り戻すための闘いを克明に綴る.

内容説明

私たちはいつの間にか毎年交通事故で一万人以上の生命が失われるという現実を当たり前と感じるようになっている。しかし機械的な事故処理、「生命の値段」の決めかたに異を唱えるのは非常識なのだろうか。交通事故で最愛の娘を失った著者が、事故当夜から刑事裁判、賠償交渉、民事訴訟に至る「人間としての死」を取り戻すための闘いを綴る。

目次

第1章 一万人を超す年間犠牲者―交通事故と交通犯罪
第2章 被害者抜きの形式裁判―刑事裁判の実態
第3章 軽すぎる刑罰―交通犯罪の量刑
第4章 ビジネスとしての賠償交渉―保険会社と弁護士
第5章 なぜ本人訴訟なのか―調停と民事裁判
第6章 定型・定額化している損害賠償―賠償の理念と現実
第7章 没論理的な算定方式―逸失利益の検討
第8章 差別される女性被害者―逸失利益の男女間格差
第9章 画一的な事故処理―弁護士の論理・裁判所の論理
終章 日常化した交通事故―くるま社会の非人間性

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kaizen@名古屋de朝活読書会

75
ご令嬢をなくされた著者。交通事故死でも交通死でなく「自動車殺人」なのかも。自動車に関連死亡事案に対する思い。法律経済に関する事項が伝わってくる。1997年の著作でその4年以上前の事案。15年前。現状はどうだろう。交通死亡事案に対する解決策が示されているか。法律経済に関しては改善されているかもしれない。技術、道路政策に関しては、もっと遅いかも。著者が、経済学者で、経済から法律への広がりがある。技術、道路政策への広がりがあるとよい。2012/07/13

壱萬弐仟縁

11
僕は、1994年6月2日8時過ぎ、某市内で渋滞中、追突事故に遭遇。むち打ち症だったが、整体術で回復できた人間。前も後ろも2トントラックに挟まれた。自力脱出、近所の工場で119を電話してもらい、僕は恩師に連絡したのを覚えている。今もルームミラーはPTSDだが、仕事上、クルマで移動する毎日。16年前の本だが、公務員の酒気帯びによる死亡事故もあったりと、看過できない事象が後を絶たない。損害賠償は加害者が被害者に行う(72頁)。なかなか人間は認めたがらない。金力に権力もつ輩は特に。自分も加害者にならぬよう自戒を。2013/08/08

CCC

7
交通事故死に対する機械的処理に一石を投じている。投じているのはいいのだが、そこから先があまりなかったように思う。賠償額の妥当性についての議論部分は説得力もあって良かった。2020/07/11

びーちゃん

6
交通死亡事故の加害者の法的責任が軽いことを批判する。加害者の刑事責任が軽いのは交通事故がほとんどの場合過失犯であることを主な理由とすること,被害者死亡の場合における民事損害賠償責任の賠償額の算定基準は交通事故に特別な基準はないこと(だからこの基準に問題がない,とは思わないが,交通事故の場合だけ被害者の命を軽く評価しているわけではない)からすると,法的責任の問題というよりは,車社会そのものを見直す時期に来ているのではないか。評価32011/08/23

ポムポム

4
交通事故ではなく、交通殺人だ。という言葉がつよく印象に残った。2014/11/10

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