出版社内容情報
戦後の半世紀余,われわれは壊すことに急で,伝えるべきものを伝えまた伝えるに値するものを新たに創り出さずにしまった.こうして失われたものの1つに礼儀作法,しつけといった人間関係の基本ルールがある.タガのはずれてしまったかのような現代日本の社会を見据え,親や大人の代から次代へと何を手わたすべきかを模索する.
内容説明
戦後の半世紀余、われわれは壊すことに急で、伝えるべきものを伝えまた伝えるに値するものを新たに創り出さずにしまった。こうして失われたものの一つに礼儀作法、しつけといった人間関係の基本ルールがある。タガのはずれてしまったかのような現代日本の社会を見据え、親や大人の代から次代へと何を手わたすべきかを模索する。
目次
むやみに空缶を捨てるな
人中で携帯電話を使うな
停車中はエンジンを切れ
他者の認識が作法の出発点
作法はまず親が教えよ
食事のあいだテレビは消せ
なかじきり
外国旅行の作法
乗物での作法
心の磁石〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
86
中野さんがこのようなエッセイを書かれていたとは知りませんでした。若干時代が古い気もしますし若い人が読むとムカッとしたりカチンとするような気持になると思いますが、私のような年代のものにとってはよく言ってくれたと感じる文章がいくつかあります。最近のメディアや本などでもこのような辛口は敬遠される傾向にあるのでしょうが、時たまこのようなことを言わないと世の中が・・・・。このようなことをいう私も昔の人間となってしまったのでしょうね。2023/11/14
isao_key
6
日本人が戦後すっかり忘れ去ってしまった美しい礼儀や道徳観、躾など成熟した人間としてのふるまいとは何かを考えさせられる。昔いた頑固親父から小言や説教を喰らっているようだが、他人に悪いことは悪いと叱ってくれる大人がいなくなって久しい今では、却って心地よい。日本文化はすべて型の文化であったと喝破する。完成された型が伝統として伝えられ、型を完璧に身に付けた者が師匠となり、弟子は一人の師について教えられるまま無批判に無心にひたすらその型をわがものにしようと努力した。『思考の整理学』にも同様の主旨が述べられていた。2013/11/26
しゅんぺい(笑)
4
昔読んだ著者の『自分らしく生きる』はけっこう衝撃やってんなあ。あらためてそっちも読みたい。これはお堅いおじさんの話、みたいな感じ。車めちゃくちゃ嫌いやな。最後のまとめで、「そんな言ってたっっけ?」ってことがたくさん出てくる。2020/04/10
🐙🦀
2
親は自分がいつ死んでも、子どもが恥をかかないように、日頃から厳しく躾を行うべきだと強く思う。2015/06/04
ぴーひゃらら
2
若者の感想です。あとがきにもあるように、本当に著者の言いたいことをただ書き連ねただけという印象。内容の8割ぐらいはごもっともなんだけど、視点があまりに一元的すぎるところも。でもこういう書も嫌いじゃないぜ。背筋が伸びるから。2011/03/02