出版社内容情報
中世の日本図に描かれた架空の陸地「羅刹国」と「雁道」.信仰世界の描出としてくり返し作られた仏教的世界図….これら“荒唐無稽”な古地図に託されたメッセージとは? 前近代を特徴づける幾つかの異域を手がかりに,その成立の謎や変容・消失過程をさまざまな絵地図のなかに読み解き,人びとの世界認識の変遷を探る.
内容説明
中世の日本図に描かれた架空の陸地「羅刹国」と「雁道」。信仰世界の描出としてくり返し作成された仏教的世界図…。これら“荒唐無稽”な古地図に託されたメッセージとは?前近代を特徴づける幾つかの異域を手がかりに、その成立の謎や変容・消失過程をさまざまな絵地図のなかに読み解き、人びとの世界認識の変遷をさぐる。
目次
序 絵地図が表現するものはなにか
第1章 中世国土図の異域と謎とき
第2章 海をわたる行基図
第3章 三国世界観と天竺
第4章 世界認識の近世的展開
終章 近代へ―世界像の再変容
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
misui
11
地図にはそれを用いた人々の世界観が刻印されており、各時代の地図を読み解くことは、人々の心性の変化を読み取ることである。本書は古地図に描かれた「異域」として天竺などがピックアップされ、仏教的世界観が近代に向けていかに変化したかをたどる。言い換えると、地理的知識の交流と蓄積をもとにしていかに近代的な地理情報が獲得されていったかということで、東アジアを中心とした三国世界観から近世ヨーロッパ的世界観へと移行していく。澁澤龍彦『高丘親王航海記』あたりがお好きな方はぜひ。2013/09/10
EnJoeToh
1
幻想地理学。2009/05/01
k
0
インドや中国の捉え方が変わって行くのが興味深かった2014/10/03
KBS
0
昔の地図について書いてある本。地図に描写されている説話上の地名についてや当時の人々の世界観が書いてあって面白い。日本人の外国をどのように考えていたのかがよくわかります。2011/03/29
カネコ
0
△2008/09/15