岩波新書
災害救援

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  • サイズ 新書判/ページ数 214,/高さ 17cm
  • 商品コード 9784004304012
  • NDC分類 369.3
  • Cコード C0236

出版社内容情報

災害に遭った人々を救援する――その本質を日本社会は理解せず,「物」の回復を最優先する陰で,多くの価値を見失ってきた.ようやく注目を浴びた「心のケア」も,言葉だけがひとり歩きしている.奥尻のルポ『災害救援の文化を創る』(岩波ブックレット)に加筆した第一部,阪神大震災を多角的に分析する第二部により新しい救援の文化を考える.

内容説明

災害に遭った人々を救援する―その本質を日本社会は理解せず、「物」の回復を最優先する陰で、多くの価値を見失ってきた。ようやく注目を浴びた「心のケア」も、言葉だけがひとり歩きしている。奥尻のルポ『災害救援の文化を創る』(岩波ブックレット)に加筆した第一部、阪神大震災を多角的に分析する第二部により、新しい救援の文化を考える。

目次

関東大震災に映された日本の社会
第1部 災害の構造―奥尻・島原にて(災害の構造;心の傷;救援の爪跡)
第2部 救援の思想―阪神大震災から(ボランティア元年;危機管理の焦点;マスコミを批判する;「心のケア」の本質;論説をよむ;救援の思想)
私たちはどんな社会を求めるのか

著者等紹介

野田正彰[ノダマサアキ]
1944年高知県に生まれる。1969年北海道大学医学部卒業。その後、長浜赤十字病院精神科部長、神戸市外国語大学教授などを経て、現職。専攻は精神病理学、比較文明論。関西学院大学教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

17
阪神大震災から東日本大震災に至るまであまり変わっていない実態(モノ・カネ優先の支援、マニュアル頼りの政府対応など)、長期化するであろう被災者への精神的なケアに思いが至った。著者は精神科医でもいらっしゃるようで、ぜひこの本以後、つまり阪神大震災から今現在までの追跡調査もしていただきたく思う。同時に自分も本当に被災者視点で物を見られているか反省材料になった。2013/08/07

モリータ

6
◆1995年7月刊。著者は1944年生、精神病理学を専門とする精神科医、評論家。大学教授も歴任。◆第1部「災害の構造」は奥尻・雲仙に取材した94年刊の岩波ブックレット「災害救援の文化を創る」と同じ。第2部「救援の思想」は『週刊ダイヤモンド』の連載「阪神大震災の現場から」を骨組みとする。こうした構成もあって、『わが街・東灘区森南町の人々』に比べると記述が散漫な印象。災害後の被災者の心のあり方の推移や「心の傷」の歴史、各種論説の言説の分類などはふむふむ、という感じ。マスコミ、専門家批判は激越な部分もあり微妙。2023/02/08

Cinejazz

0
危機に強いのはシステムやマニュアルでなく、それを支える人々の文化だ。 システムやマニュアルはその文化の一部にすぎない。 権威的で職制による上から下への命令システムは、平時で総ての条件が整ったときしか力を発揮しない。 緊急事態には、「予測された緊急事態」と「予測を超えた真の緊急事態」がある。(P.90) 究極の危機管理体制なるものは作りえない。 対等な人間関係をもとに得られる情報と持てる資源の管理ができる小集団が自生していく文化こそが、危機に対応できる。(P.100)2017/11/04

sai

0
今だからこそ読んでわかることもある。2011/12/30

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