出版社内容情報
何が戦争犯罪であり,誰がそれを裁くのか.近代の国際社会で成立した兵器制限や捕虜待遇をめぐる問題から説きおこし,第二次大戦後のニュルンベルク裁判・東京裁判であらたに定式化された「平和に対する罪」「人道に対する罪」,そして現代の係争点・到達点を論じていく.国際法研究者の立場から捉えた法理の全体像.
内容説明
何が戦争犯罪であり、誰がそれを裁くのか。近代の国際社会で成立した兵器制限や捕虜待遇をめぐる問題から説きおこし、第二次大戦後のニュルンベルク裁判・東京裁判であらたに定式化された「平和に対する罪」「人道に対する罪」、そして現代の係争点・到達点を論じていく。国際法研究者の立場から捉えた法理の全体像。
目次
1 戦争法の成立と展開
2 あらたな戦争犯罪観の模索―第一次大戦の衝撃
3 国際軍事裁判で裁かれたもの―「ニュルンベルグ裁判」と「東京裁判」
4 定式化への努力―国連システム下の戦争犯罪概念
5 個人責任をめぐる議論
6 国際刑事裁判所の試み
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
テツ
18
いつの時代であれどんな形であれ、戦争なんて一から十まで全てが悲惨なものだし、全人類が知恵を絞ってどうにかして回避しなければならない災厄なのだけれど、もしも始まってしまったとしてもお互いに最低限これだけはやらないようにしようという取り決めがある。三十年近く前に発行された一冊で内容もかなり難解だけれど、国際法の成り立ちや取り決めについて知るためには素晴らしい。実際にはこうした決まりが効力を発揮するためには、それぞれの国の力がある程度均衡していて、尚且つそれなりの知性と自制心があることが前提なんだろうな。2022/08/27
sk
2
戦争犯罪に特化した国際法のお話。良書。2020/07/09
みき
1
今は常設された国際裁判所が、中東地域での紛争に対する抑止力になりえなかったのは、ウェブなどの情報網発達による紛争のボーダーレス化によるのではないかと思う。アイシスは国家としての形をとるものの対外交的には認められておらず、そのために基本的に国家による侵略戦争を背景にした国際法があてはまりにくいし制裁の形もとりにくい。罪を裁くのは難しい。2017/03/21
おらひらお
0
1995年初版。内容は正確なのだろうが、やや難しい。歴史的に概観されているが、戦後に割かれたページ数が少なすぎる気もする。これからも認識の変化が見られそうな分野である。2011/02/12
佐守
0
興味深い話なんだけど難しかったなあ。2010/03/20