出版社内容情報
スイス・アルプスの源流からオランダの河口まで――ヨーロッパの中枢を流れるライン河流域は,ローマ帝国の時代以来,民族・国家の興亡の主舞台であっただけでなく,欧州統合のゆくえを占う格好の一帯でもある.中世の城や大寺院,ブドウ畑とワイン,廃墟と化した原発…….河畔に長く住んだ著者が,その流れに沿って案内する知的な旅.
内容説明
スイス・アルプスの源流からオランダの河口まで―ヨーロッパの中枢を流れるライン河流域は、ローマ帝国の時代以来、民族・国家の興亡の主舞台であっただけでなく、欧州統合のゆくえを占う格好の一帯でもある。中世の城や大寺院、ブドウ畑とワイン、廃墟と化した原発…。河畔に長く住んだ著者が、その流れに沿って案内する知的な旅。
目次
1 「ラインの泉」から
2 緑と牧場とハイテクと
3 ボーデン湖と「最も美しい町」
4 「高ライン」、国境の交差点へ
5 統合欧州の“立法府”
6 ゆっくりと流れる「上ライン」
7 北海から黒海へ
8 ロマンティック・ライン
9 母なるモーゼルのミニ欧州史
10 揺れる環境・エネルギー政策
11 ボン―昨日、今日、明日
12 よみがえる古都
13 弱ってきた「経済の巨人」
14 日々変容する国、オランダ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
110
加藤さんの「ドナウ河紀行」に引き続いて、同じ岩波新書から出ている「ライン河紀行」を久しぶりに読み直しました。ドナウ河と同じように懐かしい情景ばかりが書かれていて再度いきたくなります。スイス、ドイツ、オランダが中心でその流域の文化や都市などの状況をえがいています。ドナウとラインが運河でつながれていることも再確認しました。ですので確かに北海から国会までは船で移動していけるということです。2016/01/19
skunk_c
62
ベテラン新聞記者によるドイツ統一間もない頃の本。ライン川を下りながら周辺の地域、さらには少し足を伸ばしながらECからEUに代わる時期のヨーロッパ事情にも触れながら、読みやすい文章で綴る。25年以上前なので、現在とは様子の違いもあるだろうが、むしろその当時に現在の状況をかなり的確に予想できている。読み進めてはっとしたのが、ヨーロッパの統合に、カトリック統合の要素があるという指摘。アデナウアーはカトリックだったのか。EUに組み込まれた親カトリック(ある意味反正教)が今の情勢につながっているのかも知れない。2022/03/07
kaizen@名古屋de朝活読書会
2
オランダ、ドイツ、フランス、スイスが主な国。。 リヒテンシュタイン、オーストリア、ベルギーにも一部影響を与えている。 沿岸都市の紹介が、建築物などを含めて楽しめる。岩波新書一覧 http://bit.ly/12LkZWe2012/07/14
funacor
2
良書。非常にテンポのよい文章で、苦痛なく読み通せる。情報量は少ないと思うが、専門家向けの書ではないから何ら問題ない。観光ガイドとして、広く日本人にヨーロッパへの興味を湧かせるには十分。図版少数ながら、読んでいるだけで想像力が刺激され、スイスからオランダまでライン周辺の各国を、ドライブしている気にさせてくれる。また、本当に旅したくなる。2011/09/22
yo yoshimata
1
面白かったです。川に添いながら、文化、くらし、政治をたどる、というのもいいかも。ドナウのものも読みたいです。2014/01/12