岩波新書
皇室制度―明治から戦後まで

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  • サイズ 新書判/ページ数 247p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004302896
  • NDC分類 323.15
  • Cコード C0221

出版社内容情報

現代の皇室制度は,明治期にどのように「創出」され,その後どのように変容してきたのか.憲法上の地位,皇族や婚家の範囲,皇室財産,そして女帝論議や祝祭日…….気鋭の歴史家が,憲法と皇室典範,皇室令など天皇家をめぐる法と制度の意味を探り,戦後にいたる近代皇室制度の全体像を描き出す.日本近現代史の核心に挑む意欲作.

内容説明

天皇と皇室の制度は明治期にどのように「創出」され、どのように展開・変容して、現代にいたったのか。明治憲法と皇室典範を中核とする法体系の成立事情と運用の実態を追い、民間の天皇論や国体論、皇室財産論議、戦後皇室制度の国会審議など、さまざまな興味深い論点を提示していく。気鋭の歴史家が日本近現代史の核心に挑む意欲作。

目次

1 近代天皇像の交錯
2 政治的君主としての位置
3 「皇室」の成立
4 「社会上の君主」への道程
5 皇室制度の整備と手直し
6 あたらしい皇室像
7 国体至上主義と天皇神格化
8 戦後皇室制度の出発

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

politics

1
明治以降の皇室制度がどのように構築されたのかを通史的に描いてあり大変勉強になった。特に皇室財産・経済の運用の部分は大変興味深く、皇室財産が天皇統治の正当性に関わるとして井上毅らと岩倉具視らが対立していたという事実は新鮮だった。少々古さを感じてしまう部分もあるが、明治から戦後初期までの皇室制度を知るには丁度いいと感じた。2019/10/04

百式改(公論サポーター東海)

1
現行典範制定時にも譲位 女系天皇の議論がなされいるが内容は今と同じで70年経っても人は変わらないんだと虚しく思う。敗戦前後で何が断たれ何が継続されたのかを解き明かすための書だが制度に主眼を置いている為に天皇陛下が民との結びつきを一番大切にしている事には触れていない。2017/02/18

レコバ

0
近代に入って社会の変化に合わせて理念体型、依って立つ是を整理した感じが纏まっていた。2015/02/20

Hisashi Tokunaga

0
第一次大戦前はデモクラシーが国家に包摂されていたが、社会的価値を持つことにより、国家と対置しうる価値になった。「世界の大勢」がその担保であった。このような筆者の簡潔な表現には毒?が内科医(無いかい)?で、皇室について記憶に留まる内容が蘇らないだけど。(2013.3記)

NyanNyanShinji

0
近所の古本屋の100円ワゴンにあったのを保護。タイトルから勝手に、皇居の賢所の様な施設の様子や、侍従達の様な皇族を取り巻くスタッフ達など皇室を取り巻く制度の事が書かれていると思い込んでいた。そういう意味では大戦を挟んだ新旧の皇室典範の紹介がそれにあたるのだが、本書の主題はもっとハードだ。即ち明治の元勲達の天皇解釈に始まり、大正デモクラシーを経て、美濃部達吉の天皇機関説。それに反論する軍部の手で遂に天皇は現人神に祀りあげられる。その後の敗戦による天皇の人間宣言。国体の護持と天皇制存続。ハードな内容だった。2022/10/13

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