岩波新書
ドイツ人のこころ

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  • サイズ 新書判/ページ数 214p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004302629
  • NDC分類 361.42
  • Cコード C0298

出版社内容情報

統一をへて,いま注目されるドイツ――その国民性を何が形づくっているか.本書は,ライン河とローレライ,菩提樹とさすらい人,南国イタリアへの憧憬,クリスマスの楽しい風習,緑ゆたかな森,という五つの視角から,日本人になじみ深い文学や音楽にもふれつつ「ドイツ的なもの」を描く.ゲーテから緑の党にまで説き及ぶドイツ文化案内.

内容説明

統一をへて世界の目の集まるドイツ―その国民性とは何か。ライン河とローレライ、菩提樹とさすらい人、南国イタリアへの憧憬、クリスマスの楽しい風習、緑ゆたかな森、という五つの視角から、日本人になじみ深い文学や音楽にもふれつつ「ドイツ的なもの」を描く。ゲーテ、ベートーヴェンからナチス、緑の党にまで説き及ぶドイツ文化案内。

目次

序 ドイツ人とメランコリー
1 ライン河とローレライ
2 菩提樹とさすらい人
3 われもまた南国へ、イタリアへ
4 クリスマス―光と闇のドイツ的美学
5 ドイツ文化は深い森のなかから

著者等紹介

高橋義人[タカハシヨシト]
1945年栃木県生まれ。1968年慶應義塾大学文学部卒業。専攻はドイツ文学・思想。京都大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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KAZOO

88
ドイツ人の心という題名ですが、何方かというと一般的な意味ではなく芸術的な観点からの話題が多く感じられました。一般的な意味合いからのドイツ人の考え方ではなく、様々な絵画や文芸作品を取り上げてそこからドイツ人の心の底にあるものに言及されています。私は非常に興味を持ちましたが、題名だけでみると勘違いされる方がいるかもしれません。2022/10/01

佐島楓

46
ライン川、イタリアへの憧れ、クリスマスなどのキーワードから、ドイツ人の心情を考察したもの。ローレライは伝説ではなくハイネの詩が発祥など、トリヴィアを多く得られた。クリスマスの時期に訪れてみたい国。2015/09/16

さきん

28
ドイツ人の内向性やメランコリックなところは、自然環境からくるという説明には納得がいく。日本人も同様で、森林から文化へ与える影響が大きい。森林文化は多神教を育み、その後仏教とキリスト教が来るか否かで日本と大きく体質が変わっていったと思った。もちろん根底には、ハイデガーのように万物に魂、カミを見出して尊ぶというところがある。しかし、ドイツの北部はプロテスタントが多いこともあってその宗教の極から極を受けざるを得なかった状況が今の難民に対する態度につながっているように感じる。2017/02/03

ダイキ

7
ドイツ・ロマン派に関心があるので、読んでみました。内容は書名の通りで、ドイツ人を知るには最適な本ではありますが、度々繰り広げられるナチス批判は少々余計。気になる所はそれくらいで、著者はドイツ文学者ですから、やはりその文章は浪漫的な所も多く、ドイツに大した関心が無いとしても、文学的に楽しく読むことの出来る良書です。「結局のところ人間は森を完全に支配することはできない。いや、じつは人間は森に包まれ、森に支配されながら生きている。」2015/06/16

恒々

3
究極的には住んでみないと分からないと思うが、本書では、ドイツ人の心性を作るのは、寒冷な気候、森の恵みや鬱蒼とした様、父なるライン河、だという。東北に行くほど我慢強い、という言説と本質は近い。身近な自然を多神聖霊と捉える点や、南国への憧れは何とも日本的と感じる。クリスマス≠キリストで、=静かなお正月。日々のゆとりやライフバランス、環境先進性を称える声を良く聞くが、92年の執筆でそれが既に示されてる点が、本書の本質的価値を証明してると感じた。2022/04/09

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