出版社内容情報
一九九○年夏,ペルシャ湾岸危機の勃発とともに「国際貢献」論が浮上してからわずか二年.自衛隊の海外派遣という戦後政治を画する事態が,憲法論議も深められぬまま実現した.国連平和維持活動等協力法の成立をはさむこの重大な期間に,政権の内外でどのような思惑が交錯し,どんな政治力学が働いたのか.綿密な取材によってその過程を描く.
内容説明
1990年夏、ペルシャ湾岸危機の勃発とともに「国際貢献」論が浮上してからわずか2年。自衛隊の海外派遣という戦後政治を画する事態が、憲法論議も深められぬまま実現した。国連平和維持活動等協力法の成立をはさむこの重大な期間に、政権の内外でどのような思惑が交錯し、力学が働いたのか。綿密な取材によってその過程を描く。
目次
プロローグ 島国の人々も、地球益を見つめるべき時代になった
1 湾岸危機の訪れ―始まった小沢流の仕掛け
2 深まる危機―政権は民意より米国の意向に敏感だった
3 湾岸戦争突入―政権は泥縄をなった
4 戦火のあとに―政治プレゼンスの種まきに走る野心家たち
5 この機に乗じ―既成事実づくりと集団安保への誘惑
6 PKO等協力法案―自衛隊海外出動のためのガラス細工
7 ベテラン首相の登場―着地点は「憲法解釈ギリギリ一杯」
8 海を渡る自衛隊―戦後初めての部隊出動
エピローグ 地球社会で、日本の政治体質が問われる