出版社内容情報
日本人の五人に一人が手術を受けてきたという虫垂炎.これを誤って「盲腸」と呼び,“たかがモーチョー”とあまりにも軽く考える風潮はいまなお強い.だが,そこに大きな落し穴があった.第一線のベテラン外科医が,自らの豊富な手術経験を紹介しながら,「盲腸」をめぐる誤解と間違いを正し,理想の外科医とは何かを語る.
内容説明
日本人の5人に1人が手術を受けてきたという虫垂炎。これを誤って「盲腸」と呼び、“たかがモーチョー”とあまりにも軽く考える風潮はいまなお強い。だが、そこに大きな落し穴があった。第1線のベテラン外科医が、自らの豊富な手術経験を紹介しながら、「盲腸」をめぐる誤解と間違いを正し、理想の外科医とは何かを語る。
目次
第1章 “モーチョー(炎)”は存在しない
第2章 “モーチョー”を死語に
第3章 「虫垂炎」は国民病か―右下腹部にキズ持つ日本人
第4章 手術と算術
第5章 “モーチョー”と医療訴訟
第6章 アルファでありオメガなる虫垂炎―“モーチョー”を切れる外科医
終章 アッペから無輸血手術へ―私の軌跡
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
卯月
5
職場本棚、1992年刊。《外科はアッペに始まりアッペに終る》盲腸という器官はあるが、俗に「盲腸」と呼ばれる病気は「虫垂炎(アッペ)」であると熱く主張(盲腸まで波及することはある)。それとは別に「移動性盲腸」という本当に盲腸の病気もあるので、言葉の使い分けがややこしい。カタル性虫垂炎は薬で散らせるが、不要な手術が行われている。アッペと思って開腹したら虫垂には異常がなく誤診した体験、右下腹部痛を生じる原因は実は多々あり正確な診断は難しい。穿孔からの腹膜炎は怖い。優秀な外科医をいかに育てるか。無輸血手術の症例。2022/11/18