岩波新書
戦争と美術

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  • サイズ 新書判/ページ数 208p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004302377
  • NDC分類 723.06
  • Cコード C0271

出版社内容情報

第二次大戦中,戦争画を描いた多くの有名画家たちがいた.また時局にささやかな抵抗を試み,描くことを拒否した画家たちもいた.彼らの根底に潜む人間の弱さを凝視しつつ,自らが画家であることを踏まえ,当時の画家の戦争責任を考える.藤田嗣治と松本竣介の二人の画家を焦点にしつつ,時代と向き合う芸術家の生き方を問う.

内容説明

第二次大戦中、戦争画を描いた多くの有名画家たちがいた。また時局にささやかな抵抗を試み、描くことを拒否した画家たちもいた。著者は、彼らの根底に潜む人間の弱さを凝視しつつ、自らが画家であることを深く意識しながら、当時の画家の戦争責任を考える。藤田嗣治と松本竣介の2人を焦点にすえ、時代と向き合う芸術家の生き方を鋭く問う。

目次

無辜の罪
表現と苦悩
芸術の罠
僕にとっての戦争画とは
生きている画家
芸術の魔力
美化された死
新人画会
画家の良心
抵抗の画家批判

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

8
上田市の無言館を想起するが、いつか行ってみたい。本書は、1992年初出。いかに描くかという前に、いかに生きるかが大事(130頁)。生きることによって新しい場に立ち、その経験から新しい智恵を持つことができ、権力者の間違いを見抜く眼を養えるはず(158頁)。絵画を通じて、人間いかに生きるべきか、をダイレクトに教えてもらえる箇所。2013/06/28

そーすけ

2
292*画家による著作。個人の経験や思い入れが入っているため、全体を俯瞰するには不向き。2019/11/05

tu-ta

2
8月6日に司修さんが丸木で話してくれるとのことで、再読。講演前に時間があったので、いうつか質問などもさせてもらった。素敵な人でした。2018/08/09

浮舟りつ

2
言論と出版の自由があっていい。それぞれの見解は十分に主張できるところが民主主義の良さだ。しかしこの本は左翼よりの思想を持った画家のいち見解と見たほうがいい。戦時下辛かった自身の幼少時代への強い思い。大好きな松本峻介をけなされた洲之内への反論。公平で理論的な美術史論とは言い難い。「太平洋戦争画」と名付けるあたり思いが強すぎる。戦争画についてこの本しか読んでいない人にとっては偏りが生じるといわざるを得ない。2017/03/11

kana0202

1
あまり語られることのない日本の戦争画。勉強になった。松本竣介や藤田嗣治についてさらに調べたい。雑誌からの引用があるのが助かる。調べごとに便利。そう手放しで藤田を誉めてばかりはいられないんだぞと言うことを、後続世代に伝えていきたい。2023/01/24

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