出版社内容情報
日本の都市開発はなぜ生活の質の向上に結びつかないのか。人間の暮らす場をめざして都市づくりは――。
内容説明
林立する高層オフィスビル、遠のくマイホーム、破壊される景観・自然…。日本の都市開発は、なぜ生活の質の向上に結びつかないのだろうか。サンフランシスコなどアメリカ各地の具体例を通して、徹底した市民参加の手法、「成長管理」という新しい発想を紹介し、人間の暮らす場をめざした都市づくりへの指針を明らかにする。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ja^2
3
本書を語るには、まず90年代初頭に東京都の職員が書いた本であることを踏まえる必要があるだろう。だがそれにしても、異常なまでのアメリカの都市開発──住民主体の成長管理策礼賛はどうしたものかと思ってしまう。▼というのは、アメリカの都市開発が必ずしも成功していないことは、「都市は人類最高の発明である」でエドワード・グレーザーが指摘している通りだからだ。▼だが、本書の主張がある程度その後の都市開発諸制度や都市計画の民間提案等に反映されているように、全てが的外れな訳でもない。むしろ先見の明があったというべきだろう。2016/12/19
mkk
1
都市づくりにおける開発制御の重要性を強調する。アメリカで一般化している「市民参加」の理念は素晴らしいと思うものの、それが日本でも定着するかは難しい。2017/01/28
ksg
1
アメリカにおける公共部門・民間部門による相互監視、相互協力を通した意欲的な都市開発の経緯などを紹介し、日本の都市計画に対する数々の「誤解」を明示し、それらを踏まえた上で、日本の都市計画はどうあるべきかを考える。90年代の著作ですが現代の日本の状態にも未だにおおいに当てはまってしまうのが悲しい限りです。住民たちの都市開発への関心も、それをサポートする国の姿勢もまだまだ足りていないように思います。同時にアメリカの都市計画分野における教育に非常に興味をもちました。2012/06/22
ステパン
0
市民の問題意識の無さ。2013/04/18
トイレット柴犬
0
都市開発の成功のカギは行政と民間の協力態勢を整えることがまず第一である。国内に限らず、海外(主にアメリカ)の都市開発例を列挙していて開発に至るまでの背景も書いてあってわかりやすかった。なかなか面白かった。2011/09/02