岩波新書
ヌード写真

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  • サイズ 新書判/ページ数 224p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004302094
  • Cコード C0272

出版社内容情報

夥しい数のヌード写真が巷に溢れ,さまざまな話題を呼んでいる.初めてヌードが撮られて以来百五十年,今日では芸術的なものから俗悪なものまで,目に触れない日はない.この氾濫をどのように考えればよいのだろうか.ヌード写真の歴史をたどることによって,社会が性をどのように扱ってきたかを明らかにし,現代における性や身体の意味を探る.

内容説明

夥しい数の「ヌード写真」が溢れ、さまざまな話題を呼んでいる。芸術性の高いものから俗悪なものまで、この過剰な氾濫をどのように考えればよいのだろうか。ここでは、「ヌード写真」の歴史をたどることによって社会が性をどのように扱ってきたかを明らかにし、「ヌード写真」を読みとくことによって現代における性や身体の意味をさぐる。

目次

1 性の政治学―ヌード写真をどう論じるか
2 秘匿された情熱―ダゲレオタイプのヌード写真
3 写真が性をよこぎるとき―ヌード写真の社会学
4 ヌード写真の氾濫―ゲームのパラドクス
5 無性化する身体―性的衝動の排除
6 私的な視線によるヌード写真―ひとつの歴史のおわり
7 ヌード写真の変容―神話の誕生

著者等紹介

多木浩二[タキコウジ]
1928年神戸に生まれる。東京大学文学部美学美術史学科卒業。現在、評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゲオルギオ・ハーン

22
『ヌード写真』のその登場(1850年代)から1980年代までの流れを主に男と女の政治学的な関係という視点から考察したという切り口も珍しければ、考察内容も独特という奇書的な面もある一冊。ヌード写真とピンナップの境目について考えていると思ったら、バタイユのエロティシズムについての考察もある(本書ではよく出てくる)。初期は男性の価値観を女性に押し付けて写真にしていたものが主流だが、80年代に近づくにつれて男性の性的価値観を意識しないものも評価を得ていくという流れにあるというのは興味深いと思いました。2022/02/23

王子

10
著者はヌード写真の分析を通じて、男性がいかに女性をモノとして性的欲望の対象としてきたかということを示唆しており、その点において、性器への固着を如実に示すポルノグラフィックな写真を無価値であると言い切るのであるが、その論理に飛躍を感じざるをえなかった。ポルノグラフィックな写真の内実は男性による女性に対するレイプ(視姦)であり無条件に断罪されなければならないとの論理はたしかに強烈で魅力的ではあるが、そのように斥ける前に一度ポルノグラフィについて考えてみたいとも思うのである。2017/09/05

ああああ

2
私が興味をもつのは、むしろどうしてそのような写真が過剰に生まれてくるのかという問い、いいかえれば「性」というあまりにも根源的だが触れにくい主題についての言説をかくも大量かつ安易に産出している社会的、政治的メカニズムの解明である。そして可能ならその先に性的身体のイメージの可能性を探ろうと思う。(P.9) 2020/05/30

悸村成一

2
イメージの政治学とか言うと間違っていそうだが、読んでむつかしかった。図書館本。1492018/10/02

まあい

2
ヌード写真からいかなる性の政治学を読み取るか。「欲望の『過剰と拡散のゲーム』」の下で、男性中心主義・性器中心主義が組み替えられていく一方、なおも旧来的なヌード写真が大量生産されていた。そのような社会状況の分析まで含めた、社会学的・哲学的エッセイ。ここから写真と2次元表現との違いや類似などを考察するのも楽しそう。2016/10/16

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