岩波新書
実戦・世界言語紀行

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  • サイズ 新書判/ページ数 221,/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004302056
  • NDC分類 800
  • Cコード C0287

出版社内容情報

民族学者として半世紀にわたって世界各地を歩いてきた著者は,フィールド・ワークに際して常に現地の言語を学び,実際に用いてきた.学生時代の朝鮮語に始まり,チベット語,モンゴル語,ペルシャ語,タイ語,フランス語,スワヒリ語,エスペラント語…….無数の外国語習得という稀有な体験をふり返りながら,言語を学ぶことの意味を語る.

内容説明

民族学者としてこれまで半世紀にわたって世界を各地を歩いてきた著者は、フィールド・ワークに際してそれぞれ現地の言語を学び、実際に用いてきた。学生時代の朝鮮語に始まり、チベット語、モンゴル語、ペルシャ語、フランス語、スワヒリ語、スペイン語…。数々の外国語習得の体験、さまざまな民族との出会いを回想し、日本語の将来を語る。

目次

第1章 東北アジアと南海の島じま
第2章 アジア大陸の奥ふかく
第3章 大陸の南縁にそって
第4章 アフリカのサバンナと砂漠のなかで
第5章 ヨーロッパをゆく
第6章 新世界とオセアニア
第7章 世界のなかの日本語

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

328
タイトルにもあるように、この人の外国語学習は教養としてのそれではなく、現地でのもう徹底して実践向けのものである。その意味では高野秀行氏のリガラ語やワ語の習得に似ているかもしれない。それでも梅棹氏の場合は、基礎となる言語学の知識と、多くの場合は専門家の師匠がいるわけだから、高野氏の場合よりはまだましか。それにしても、よくこれだけ多くの地域のフィールド調査に行くものだ。また、それだけ習得すべき言語も多種・多岐にわたるのだけれど。最大のコツは、楽しみながら学ぶことにあるのではないか。2023/04/08

佐島楓

48
とにもかくにも、この先生のパワフルさには驚かされる。アジア、アフリカ、西欧の言葉をかたっぱしから習得していくし、だいたい一か月も現地で勉強すれば言語を習得できるとおっしゃる。言語能力は多分に才能が関係してくるので、皆が皆そう簡単にはいかないだろう。言語学の知識があっても、難しいことだと思う。だから、うらやましい。2016/02/12

サアベドラ

20
『文明の生態史観』で有名な文化人類学者・梅棹忠夫が後年に自らの言語遍歴を述懐した新書。1992年刊。梅棹の言語学習法はとてもシンプルで、「一ヶ月間ただひたすら現地の人と会話する」というもの。この方法で、訪れた土地の言語を次々にものにしていったという。ただし、この方法はあくまで会話やフィールドワークで使用するためのものであり、文章の読み書きにはさらなる努力を要すると但し書きしている。また、言語習得よりもその維持のほうが難しかったそうで、覚えた言語のほとんどは数年で忘れてしまったという。それでも十分すごいが。2019/06/30

まふ

9
朝鮮語、ラテン語、ミクロネシア諸語、モンゴル語、ロシア語、オランダ語、北京語、サンスクリット語、クメール語、ベトナム語、ビルマ語、カレン語等々数十語に及ぶ言語を民族学実地調査のためにどんどん覚えては忘れ、という超人的な言語能力をいかんなく発揮した記録。しかも、この書は著者が両眼失明した後で書き取りにより作成されたものである。すごいとしか言いようがない。超人的能力である。エスペラント語をマスターしており、切手収集家であることも会話・伝達能力に寄与しているのであろう。2020/03/08

ほーりー

3
言語とそれを使う民族の生活を通して見た世界観。想像も全てベースは実体験。梅棹先生が亡くなったからでしょう。書店に平積みされていました。2010/11/08

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