出版社内容情報
四億年前,地球上にあらわれたカブトガニ.この「生きている化石」が,いま急激に減少しつつあるのはなぜか? 日・米・タイで調査を続けている著者が,カブトガニの生き残り戦略を,月の満ち欠けとともに行われる産卵,ガンにも効くといわれる血液など,神秘的な体の謎を追うことにより明らかにするとともに,地球環境の悪化に警鐘を鳴らす.
内容説明
2億年もの間、形を変えずに生きてきたカブトガニ。この「生きている化石」が、いま激減しているのはなぜか?日・米・タイ等で調査を続けている著者が、カブトガニの生き残り戦略を、月の満ち欠けとともに行われる産卵、ガンなどにも効くといわれる血液など、神秘的な体の謎から明らかにするとともに、地球環境の悪化に警鐘を鳴らす。
目次
1 カブトガニの生いたち
2 頑固で保守的に生きる
3 卵を産む
4 発生と成長
5 自分のからだは自分で守る
エピローグ ヒトの時代のカブトガニ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ロビー
4
33年前に刊行されたカブトガニについて一般向けに書かれた本。 改めてカブトガニの生態、価値、そして危機を知ることができ、解像度が数段上がった。 そして、30年前に絶滅の危機を迎えていたカブトガニの生息地が当時より改善しているとは到底思えないのである。 令和版の研究過程や現状を記した書籍も読んでみたいモノである。2024/01/22
坂津
2
家の近くに「カブトガニ博物館」があり、日本の他の地域の人よりはカブトガニに慣れ親しんでいた。だが、肝心のカブトガニの生態や特徴について悲しいほどに知らなかった。そんな自分に色々と教えてくれた一冊。カブトガニは成体になるまで十年以上かかることや、カブトガニの血液が病気の検査に役立つこと、カブトガニは全世界で四種類ありアメリカ海岸の種とアジアの種は比較的早期に分かれたこと・・・。胚の発生過程や血液の凝固作用の説明は難しくて理解が追いつかなかったが、それでも魅力的な内容に溢れていた。笠岡のかつての姿を想起した。2015/08/12
R10
2
小学校か中学校の理科室でカブトガニの標本があったのだが、当時の理科の先生が「これはシーラカンスと同じく生きた化石と呼ばれているんだ」と教えてくれたことを思い出した。ある水族館でこどもにカブトガニを触らせていたが、あれはどこ産のものだったのだろうか。 海岸は漁業や水害対策のために開発されやすい場所ではあるが、そこに棲む生き物との折り合いを付けながら人間が生活を営んでいければいいのにと思う。加藤真の「日本の渚」とあわせて読みたい。2015/04/19
Toru
2
三葉虫の子孫で海老や蟹より蜘蛛やサソリの親戚というのはびっくり。食用には…あまりしたくないかも。 発行年は1991年、今より20年以上前の本。この本では登録されていないとなっているけれど現在ではレッドデーターブックに載っているよう。 現在ではどうなっているのか、あまり話題にものぼらない。一度見に行ってみたいと思う。2013/01/13