出版社内容情報
開拓精神に彩られたアメリカの歴史は，自然破壊の歴史でもあった．だが，それゆえに早くから自然保護の思想が芽生え，現代の活発な環境保護運動へとつながっていく．しばしば政治の場で闘い，幅広いネットワークを生かすこの国の多様な運動のスタイルと，それを支える自然観を，大小の市民グループへのインタヴューもまじえて報告する．
内容説明
開拓精神に彩られたアメリカの歴史は、自然破壊の歴史でもあった。だが、それゆえに早くから自然保護の思想が芽生え、現代の活発な環境保護運動へとつながっていく。しばしば政治の場で闘い、幅広いネットワークを生かすこの国の多様な運動のスタイルと、それを支える自然観を、大小の市民グループへのインタヴューもまじえて紹介する。
目次
序章 アメリカとの出会い
第１章 １９９０年４月２２日
第２章 原点をさぐる
第３章 自然保護の胎動
第４章 市民運動の発展
第５章 自然とのつきあい方
第６章 自然保護から環境保護へ
第７章 地球規模の活動へ
終章 人と自然
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
126
アメリカはかなり西部開拓などを行ってきて自然破壊をしてきたのですが、だからこそかなり自然保護とか環境保護とかの運動については日本とは異なり徹底しているような気がします。またそれらに関する書物などの観点からもかなり草の根に根差したものだと思いました。2016/04/10
壱萬弐仟縁
20
オーデュボン『アメリカの野鳥』の画集を遺した（４０頁）アメリカの自然保護の先駆。クーパー『レザーストッキング物語』（４２頁）。ソロー『森の生活』（４７頁）。他、自然保護の父ミューア（５２頁～）。激しい労働に加え、睡眠４時間で勉強に打ち込んだ尊敬できる人物のようだ（５５頁）。シエラ・クラブ設立１００年は１９９２年のこと（８７頁）。レオポルドの土地の倫理：人間行動にも制限が加えられるべし。人間と自然の関係を律する倫理（１２６頁）。2015/07/12
ハチアカデミー
9
B 何故アメリカで環境保護という思想が生まれたのか。その背景を丁寧に追う良書。声高に環境を守れと叫ぶのではなく、自然と人間はどのように関わり合っていくことができるのかを問い続けることこそが、環境保護運動の背景には存在する。フロンティア精神がウィルダネス（原生自然）を開拓した一方で、その自然こそが、アメリカをアメリカたらしめているという自覚も生まれるという流れは、社会学としても面白い。現実の事件ばかりに目を奪われるのではなく、その背後にある人間と自然のありかたを考えることこそが、自然倫理・自然哲学なのだ。2012/10/11
根室
4
アメリカ人は環境保護に冷たいというイメージがなぜかあったのだけど、読んで印象が少し変わった。日本と比べるとスケールが違う。保護活動家達の戦いの歴史とその成果、反省 2012/02/13
akimo11
3
アメリカの広大な国立公園がどのようにして守られたのか、自然を愛する市民の強さと、環境保護の運動をリードした巨匠の働きに感銘を受けた。2011/03/15
