岩波新書<br> 私は女性にしか期待しない

岩波新書
私は女性にしか期待しない

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 202,/高さ 18X11cm
  • 商品コード 9784004301097
  • NDC分類 367.2
  • Cコード C0236

出版社内容情報

知らずしらずのうちに「しきたり」にしばられ,自らの時間さえも投げうって会社人間となる男たち.他方,充実した生を求めて模索している女たち.――八十年の生涯をかけて,女性と子どもの立場にたちながら幅広い発言を重ねてきた著者は,いま,人間らしい社会の実現を展望し,90年代の幕開けに抱く絶望と希望を語りかける.

内容説明

知らずしらずのうちに「しきたり」にしばられ、自らの時間さえも投げうって会社人間となる男たち。他方、充実した生を求めて模索している女たち―。八十年の生涯をかけて、女性と子どもの立場にたちながら幅広い発言を重ねてきた著者は、いま、人間らしい社会の実現を展望し、’90年代の幕開けに抱く絶望と希望を語りかける。

目次

1 しきたりの力(嫁のつとめ;イエ ほか)
2 企業の力(日本の企業;企業としきたり ほか)
3 男のしていること(男の約束;父親の育児 ほか)
4 女のたたかい(女の三重苦;主婦 ほか)
5 デモクラシーへの道(10年間のかわりよう;『コモン・センス』 ほか)

著者等紹介

松田道雄[マツダミチオ]
1908‐98年。1932年京都大学医学部卒業。小児科医
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

M

56
男性である松田先生がこの年代(1908年生まれ)でフェミニズムとデモクラシーを語っていたことに驚く。これ30年前の著書。なのに古くない。そこに頭痛。現在、少子化目指して?納税増やして?現代の女性の社会進出どーのこーのに男性の変わる気のないムラ社会どーのこーの、これが少なくともここ30年なんら変わっていないという証に嘆息。やってられないよね~社会全体が歪んだ個人主義、利己主義に陥ってゆくのも仕方ない。あ~せめて自分が子を持たなきゃその多分に洩れず利己的に“まぁ変わらないよね~”などと傍観していられるのに。2018/11/23

hiromi

5
自分の父親のことを考えると働きすぎだなと思う。帰ってきて、ぼーっとテレビを観てる父は抜け殻のようだった。私や弟のことまで気にする余裕なんてなくてもしかたがない。女性を男性並みに働かせるより、男性のペースを落とすことの方が大事なのではとすごく思う。2014/01/27

Norikita

4
実家にあってふと手にとった本。題名が題名なだけに電車の中ではなんだか読みにくかったが笑、日本社会のおいての女性の歩みや生き方、戦前の男性と女性の役割が書かれてる。昔は本当に女性が働くことは難しかったんだなということを実感。70-80歳を楽しく生きるにはそれまでに人生に空白をつくらない方法を身につけることという言葉が残った。2012/04/20

K K

3
素晴らしい!良書。性差別の歴史を仔細に知ると改めてはらわたが煮え繰り返る思いだ。何と愚かな日本、男性たち。大学時代女性史を少しかじったがまた学びたい。それにしても松田さんはすごい。こんなにも前の作品であることがただただ驚き。今読んでも”新しい”。やはり先ずは女性が徒弟を組み、数少ない理解ある男性もさらに変わり、社会を変えて行くしかない。松田さんはマザコンは絶滅するというが、現状みるとそうだろうか?(笑)いったいいつ実現するんだろうか、理想社会。泣けてくる。周りを見ているとげんなりする。名言続出。2017/01/07

rikoyy

3
争わずに、暴力をもって支配するということなしに、人間関係を築いていくことの難しさを感じながら読みました。考えようによっては、社会的に女性は弱者で虐げられているけれども、縛られるものなく自由にたたかえるのだと勇気を与えてくださるもの。男性、女性にかかわらず、違う意見を持つ者に対し、見下すのではなく対等の人間として向き合うことの大切さを教えてくださっているようです。松田先生からは「女性にしか期待しない」と言いながら、人は人の力で変わることができる、という信念を感じさせます。2012/11/16

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/367543
  • ご注意事項