岩波新書<br> 原発はなぜ危険か―元設計技師の証言

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岩波新書
原発はなぜ危険か―元設計技師の証言

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  • サイズ 新書判/ページ数 194p/高さ 18X11cm
  • 商品コード 9784004301028
  • NDC分類 543.5
  • Cコード C0254

出版社内容情報

チェルノブイリの事故が世界に大きな衝撃を与えたにもかかわらず,日本の原発政策には何の変化も見られない.日本の原発ははたして安全なのだろうか.原発の心臓部である圧力容器の設計に携わった著者が,自ら体験した製造中の重大事故を紹介し,現在運転中の原発の問題点をえぐり出すとともに,脱原発のための条件を探る.

内容説明

チェルノブイリの事故が世界に大きな衝撃を与えたにもかかわらず、日本の原発政策には何の変化も見られない。日本の原発ははたして安全なのだろうか。原発の心臓部である圧力容器の設計に携わった著者が、自ら体験した製造中の重大事故を紹介し、現在運転中の原発の問題点をえぐり出すとともに、脱原発のための条件を探る。

目次

第1部 ゆがみ矯正事件(どうゆがみ、どう矯正されたか;「6.28シンポジウム」の周辺)
第2部 “運転中の原発”の安全性(理論的構築物の予盾;原発の老朽化1―圧力容器の中性子照射脆化;原発の老朽化2―理論主義の危険)
第3部 原発に象徴されるもの

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kaizen@名古屋de朝活読書会

138
福島第一原子力発電所4号機の製造上の作業のやり直しについて記載。焼き鈍しについてわかりやすく説明。福島第一原子力発電所1号機の「給水ノズル内面の熱疲労事故」と「事故がおこる数年前に、給水ノズルの基本構造が一変したにもかかわらず、それが福島第一,二,三号機などの古い原発の「構造見直し」につながらなかったという事実である。」「多くの時間をかけ、最新の理論とコンピュータを駆使しておこなわれる詳細応力解析も、結局,「その程度のもの」でしかないのである。岩波新書百一覧掲載http://bit.ly/10CJ7MZ2013/05/05

James Hayashi

31
原子炉の圧力容器を製造していたバブコック日立の製造現場に従事していた著者。福島第一原発の4号機には歪みが生じていたが、矯正し納品したという事を暴露。その後は退職しサイエンスライター、2012年、東京電力福島原子力発電所事故調査委員会委員に属す。 内容は技術的な事でかなり難しいが、安全と言い切れる技術はないという事。90年の著作だが、今回の原発事故を経験し、肝を冷やした事だろう。YouTubeで最近のコメントも見られる。2019/09/26

Hiroki Nishizumi

4
専門的なところは理解出来なかったが、大意は分かった。お上意識を抜かさないと日本はダメになると感じているが、まさに原発がこれに当てはまると感じた。思考停止の恐ろしさよ。2020/11/01

coolflat

4
著者は元原子炉圧力容器設計技師。福島第一4号機が楕円形に歪んでしまったのを、発注元の東電に内緒で矯正作業した話が中心。中身はほとんど技術論。ところで著者の脱原発の考え方は、全ての原発を廃止する脱原発ではなく、安全性に問題のあるいくつかの老朽化原発、欠陥原発の廃炉を要求することだと言う。前者は、生活の様式に根本的な変化を求めることであるのに対し、後者は、純粋に技術的なことであるからだと。これには推進派が代替エネルギー論を持ち出すのを封じ込める狙いもあると言う(技術的な問題なら代替エネルギー云々は関係ない)。2014/03/06

psi_x

3
構造があまりにも複雑であるが故に故障や欠陥が見つかってもなかなか根本的な修理や問題点の解決が図れないという...原子炉ってのはどうにも扱いようのない代物なのだなと思った。2011/10/12

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