岩波新書<br> 中世の奇蹟と幻想

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岩波新書
中世の奇蹟と幻想

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  • サイズ 新書判/ページ数 220p/高さ 18X11cm
  • 商品コード 9784004300984
  • NDC分類 192
  • Cコード C0222

出版社内容情報

キリストの涙にふれる時,病は癒え,死者は蘇る.中世はまさに奇蹟の続発する時代であった.奇蹟はなぜ起こるのか.中世史研究の第一人者である著者が,聖者伝,奇蹟録の中から興味深い説話や妖異譚をとり上げて語りつつ,各地に叢生した霊場とそこをめざす巡礼の急増に民衆の信仰の実態を見出し,ヨーロッパ民衆の心性史に新しい光をあてる.

内容説明

キリストの涙にふれる時、病は癒え、死者は蘇る。中世はまさに奇蹟の続発する時代であった。奇蹟はなぜ起こるのか。中世史研究の第一人者である著者が、聖者伝、奇蹟録から興味深い説話や妖異譚をとり上げて語りつつ、各地に叢生した霊場とそこをめざす巡礼の急増に民衆の信仰の実態を見出し、ヨーロッパ民衆の心性史に新しい光をあてる。

目次

不思議な物語
僧坊の夜語り
世々の伝え
さまざまの聖者たち
生ける聖遺物

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

98
題名通り中世の遺物などについて書かれたものです。これはカドフェルのシリーズを読んでいた時に、ある巻で解説で触れておられたのを見て読んでみました。様々なキリスト教に関する奇蹟などについて紹介されています。また僧房の夜語りということで修道院での出来事なども書かれています。カドフェルの小説のも出てきましたが、さまざまな聖人たちの遺物を教会同士で取り合うということもあったようです。この本を先に読んでいた方がもう少し理解が深まったような気もします。2016/07/09

にゃん吉

5
ヨーロッパ中世の奇蹟譚、聖人、聖遺物にまつわる話がふんだんに紹介されています。記録に残る奇蹟の多さに驚きました。巡礼を引き寄せたいとかそんな類の、奇蹟に対する教会側の思惑と、民衆の現世利益への渇望が錯綜するような、人間臭さが垣間見える話が面白くありました。あとがきに、本書が民衆の信仰史を系統的に述べることを目的としたものではなく、中世の人々の一面をスケッチしようと試みたものとの説明があるとおり、全般に、淡々と記述されていくカンジで、少しとっつきにくいところもありましたが、なかなか興味深い一冊でした。2021/09/21

はるでがると

3
中世の聖人関係の様々なエピソードについて、読みやすく手際よくまとめられている。自分が勉強してきたことがほとんど全てこの一冊に濃縮されていた。今の感覚とはかけはなれた、それだけに面白い聖人と中世の人々の世界を垣間見させてくれる。2012/09/05

○○○ ○○

1
啓示≒夢を通じて名もなき遺体が掘り返され、時代と共に流行の聖人も変わる。盗まれた聖遺物が大々的に祭られ、民衆に認知され、すると一挙に奇蹟が起こる。二次創作とキャラ化が横行し、教会がそれを峻別し公式設定化する。「需要が実際にあるのだからそれで良い」という態度と「有用な効果があるのだからそれを説明しなければならない」という態度が同居し、「奇蹟譚は成長する」わけだ。犬の聖人とか小銭をジャラジャラ奉納した人の夢に現れて「ちゃんと両替しろ」とキレた聖人とかの話が面白い2017/04/02

takao

0
聖遺物崇拝など2016/08/13

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