岩波新書<br> ODA援助の現実

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岩波新書
ODA援助の現実

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  • サイズ 新書判/ページ数 226,/高さ 18X11cm
  • 商品コード 9784004300977
  • NDC分類 333.8
  • Cコード C0236

出版社内容情報

いまや年間一兆円を超え,世界一のODA(政府開発援助)大国になろうとする日本.しかしそれは相手国の人々の役にたっているのだろうか.繰り返し疑問が指摘される不透明なODAの構造,日本の援助により「開発」がおこなわれている発展途上国の現状,ODAの自然環境や先住民の生活への影響などを明らかにし,これからのあり方を考える.

内容説明

いまや世界一のODA(政府開発援助)大国になろうとする日本。しかし、それは本当に相手国の人びとの役にたっているのだろうか。繰り返し疑惑が指摘される不透明なODAの構造、日本の援助により「開発」がおこなわれている発展途上国の現状、さらに自然環境や先住民の生活への影響などを明らかにし、これからのODAのあり方を考える。

目次

1 援助―その多面的な顔
2 霞のなかのODA
3 何が行われているのか
4 受け入れ国側の事情
5 誰のための援助か
6 新しい発想、多様な試み

著者等紹介

鷲見一夫[スミカズオ]
1938年、愛知県に生まれる。1965年、横浜市立大学文理学部国際関係課程卒業。1970年、一橋大学大学院法学研究科博士課程修了。現在、新潟大学教授。専門、国際環境法。ODA研究会代表。1989年6月に「日本の開発援助における『環境的配慮』の強化方策について―NGOからの提言―」を発表
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mitei

171
大学時代に資料として読んだ一冊。当時のODAの問題点について書かれていたが、その後どうなってるのか知りたくなった。2015/05/24

佐島楓

40
ODAについて、使途の不透明さ、実際には現地の環境を破壊している件がある事実などを遅まきながら知った。特に「エスノサイド(人種的、文化的殺戮」)」という言葉を知り、日本はこれまで上から目線すぎなかったろうか、という思いを強くした。現在の実態も知りたい。2015/03/27

手押し戦車

12
無償協力は税金を使い日本に口座を置いて物品調達など日本企業でやる紐付きで請負った企業は指定銀行に支払いを請求する。有償協力は年金で使われる。机の上に援助案件について一庁でも反対が有ると閣議に上がらないし証拠文章も残らず専門用語でで飛び交うので理解出来ず実際は政治と企業が癒着して暴利を取れる仕組み。プロファイは援助案件だが手土産案件に成り利権が絡みトップダウンで決められる。フィージビリティー調査は実施可能調査でお金の取り分を決める。国民が情報を得るのはプロジェクトが後戻り出来なくなった時に知らされる。2014/08/26

ヤギ郎

10
批判的な視点を持ってODAを論じた新書。開発学において議論される論点を日本のODAの文脈に落とし込んで丁寧に解説している。戦後早々に、国際社会の一員となるべくして始めた開発援助も、やっと今(本書1989年出版)になって問題点が明らかになってきたのだろう。日本に限らず、他国を支援する開発支援において、付きまとう問題がいくつもある。環境問題への関心が国内外で高まるにつれて、開発支援の現場でも考慮されるようになった。開発援助の裏には莫大なカネが潜んでいる。公平公正で、世界のためになる制度設計を実現したい。2020/11/21

はりねずみ

5
初版が89年で少し古いが、ここで提起されている問題は現在も受け継がれている。「援助」という響きが善的なイメージを想起させるので、国民はその内容に疑惑の目を向けない。しかし、どう考えても援助ではなく日本企業の海外進出の後押しがODAを通じてなされている。ODAは税金からだから、100%の喜捨にはもちろんなり得ないが、援助の名目で被援助国の環境破壊やエスノサイドが行われている現実は問題だ。海外投融資がODAから外れていたのに去年本格再開。これは退歩だろう。「エビと日本人」「バナナと日本人」と通じる内容だった。2014/01/12

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