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岩波新書
ゴッホ星への旅〈下〉

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  • サイズ 新書判/ページ数 218,/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004300731
  • NDC分類 723.359
  • Cコード C0271

出版社内容情報

渦巻く太陽,黒い炎のように物狂おしく燃える糸杉…….一八八八年アルルを訪れたゴッホは,死に至るまでの千日間に驚くべき芸術の開花を成し遂げた.忍び寄る狂気のなかで星への旅を続けた人間ゴッホとは,どのような人物であったのか.彼に魅了されたフランス在住の著者が,十年の構想のすえ,謎に満ちたその肖像を鮮やかに甦らせる.

内容説明

誰にも認められず、鉄格子の中に閉じ込められても、ゴッホの創作意欲が衰えることはなかった。しかし弟テオへの書きかけの手紙を残し、黄金の穂が燃え盛る麦畑で突然自らの命を断つ。彼が探し続けた「星」とは何であったのか。人間ゴッホの生きざまが、今それを明らかにする。

目次

3 サンレミ
4 オヴェール
5 舞台の残響 登場人物の行方

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kaizen@名古屋de朝活読書会

94
作品を眺め,書簡を読むのにともて役立つ。 上ではアルル時代を描写している。 下では、サンレミ,オヴェール時代を描写している。 最後に親族、関係者の概要を説明している。 いろいろ貴重な資料をもとに、画家の最後の数年を、過去と結びつけながら紐解いている。 星への旅とは、亡くなることを指している。 フランス読みでヴァンサン(オランダ読みだとフィンセント)の弟テオとの往復書簡を読んでも,いまいちピンと来ないところがあった。岩波新書百一覧掲載http://bit.ly/10CJ7MZ2013/02/05

KAZOO

9
この下巻には、サンレミとオヴェール時代のことが書かれています。よく書簡を読み解くことによって、いかにも一つの小説のような仕上がりにしてくれています。ゴッホの交友関係など克明に書かれていて、最後に登場人物の行方ということで関係者がどのようになったかもよく調べて書かれています。2014/03/18

ソングライン

6
サンレミでの療養、そして最終の地オヴェールが描かれる下巻です。サンレミで病状の落ち着いている時は、何度かアルルを再訪したり、最後を看取るガシェ医師のオヴェールでの微妙な評判、またハーグでのシーンとの貧しい同棲生活などあまり知られていないエピソードも紹介されます。作者は書簡と回想録から冷静に、ゴッホの死に向かう様子とその臨終、葬儀を描いており、最後に登場人物たちのその後が付録されているのもうれしいです。2018/03/30

ちゃん

4
思い込みで期待を膨らませ、小さな幸せをかみ締め、そして絶え間なく限りない苦悩の末についに絶望する。素直で繊細に過ぎ、紛れもない芸術家であったヴァンサンの人生を愛さずにはいられない。2010/06/06

Mark

3
ヴァンサンが残したもの、それは時代を先取りし、後世に強烈な影響を与えた絵画作品以上に、彼という偉大な人間の「人間形成物語」としての文学作品でもあります。夥しい数の書簡が残され、文字としても記録された彼の心象風景を参照しつつ、残された作品を眺めていると、これまでに見た何枚かの周辺に、当時の人々の息遣いも感じられるように思いました。アルルでゴーガンとの共同生活が破綻し、精神を病み始めたヴァンサンのその後が詳しく記されていて、その悲惨な最期を知っているからこそ、シンパシーを感じます。2020/06/13

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