岩波新書<br> 映画で世界を愛せるか

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岩波新書
映画で世界を愛せるか

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  • サイズ 新書判/ページ数 231p/高さ 17X11cm
  • 商品コード 9784004300557
  • NDC分類 778.04
  • Cコード C0274

出版社内容情報

暗闇に浮かぶスクリーンの輝きに,人は夢を紡ぐ.それは暗い時代には希望を,繁栄の世には生きる娯しみを与えてくれた.その映画が権力と関わると,時に激しい憎悪を引き起こし,視るものを怒りに駆り立てるのはなぜか.人間を理解し共感を得ることは,映像の力で可能なのか.映画の理想を求めて世界を旅してきた著者が,真摯に訴える.

内容説明

暗闇に浮かぶスクリーンの輝きに人は夢を紡ぐ。それは暗い時代には希望を、繁栄の世には生きる娯しみを与えてくれた。その映画が権力と関わると、時に激しい憎悪を引き起こし、視るものを怒りに駆り立てるのはなぜか。人間を理解し共感を得ることは、映像の力で可能なのか。映画の理想を求めて世界を旅してきた著者が、真摯に訴える。

目次

第1章 日本人と韓国人は映画でどこまで理解しあえるか
第2章 中国の抗日映画とはどういうものだったか
第3章 ニューヨークで日本の戦意昂揚映画を考える
第4章 東南アジアと日本の映画の絆
第5章 台湾映画が日本人の心をえぐる
第6章 ブラジルとアフリカで日本との接点を映画を手掛りに話し合った
第7章 〈日本的〉ってなんだろう?
第8章 映画の自己愛的用法とそこからの脱却の道をワルシャワやモスクワで考えた
終章 映画で世界を愛せるか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

つまみ食い

2
掛け値なしの名著。映画というものの見方を変えてしまう一冊であると同時に、日本の戦争責任や他者(アジア)観を問う一冊でもある。 前半部は韓国、中国、台湾、タイ、インドネシアなどさまざまな国の映画を日本の植民地主義や戦争犯罪などと絡めつつ紹介する。 日本の戦争映画で日米開戦前夜から終戦に至る流れを悲劇的に描く映画は数多いが、盧溝橋事件から描く映画はほとんどないと述べ、そこに日本の戦争映画(と戦後社会)の一つの限界を指摘する記述などは膝を打った。2023/01/16

鳥田卓

2
「日本人と韓国人は映画でどこまで理解しあえるか」など当時のさまざまな映画を紹介しつつ著者の主張を述べていく、という構成。1989発行という古さだが、現在の自分自身の価値観にもしっかりと影響を与えてくれる中身のある本である。個人的には第6章の「日本とブラジルには近代文明とアミニズムに代表されるような共通性がある」という文が興味深かったが、やはりこの本の一番の良文はと聞かれたら、僕は終章の小見出し「映画に<人類>が見える」が一番だと思っている。ただし、これはやはり終章の最後というだけあって著者の主張の総評と2017/11/30

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