出版社内容情報
日増しに激化の一途をたどる日米摩擦.その陰に,どのような経済的利害と政治的思惑が錯綜しているのか.日米の政治家・官僚・経済人らに対して精力的に取材し,両国の政策決定プロセスを明るみに出すとともに,自動車・コメ・通貨などをめぐる摩擦の構造を解剖する.「国益」のベールを剥ぐ,朝日新聞前ワシントン特派員による生々しい報告.
内容説明
日増しに激化の一途をたどる日米摩擦。その陰に、どのような経済的利害と政治的思惑が錯綜しているのか。日米の政治家・官僚・経済人らに対して精力的に取材し、両国の政策決定プロセスを明るみに出すとともに、自動車・コメ・通貨などをめぐる摩擦の構造を解剖する。「国益」のベールを剥ぐ、朝日新聞前ワシントン特派員による生々しい報告。
目次
1 解剖―日本の政策決定(複合貿易摩擦とは何か;“火消し役”の思惑と機能―「江崎調査会」に見る日本的対応)
2 解剖―アメリカの政策決定(友好と摩擦のあいだ;何が議会に起こったか)
3 三大摩擦の構図(自動車―輸出規制をめぐるドラマ;コメ―「聖域」崩壊への胎動;通貨―G2の虚像と実像)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
101
1980年代後半の日米貿易摩擦などについて新聞記者の著者がアメリカの現場で取材してきた実際の状況を書かれたものでこのような書物にしては比較的臨場感があります。最近はここに書かれていることは日米の間ではないのですが、今後は日本がアメリカの立場となるような中国や韓国との関係で出てくる可能性があるという気がします。2016/02/18
nobody
6
伝わって初めて言葉は機能する。双方に言葉に対する理解があるのが前提である。従って受け手にまだ理解のない新奇語の濫用は望ましくなく、使うならば説明が絶対必要である。なぜ説明せずに新奇語を濫用するか。伝えるためでなく突き放すためである。突き放すことで権威を得、騙すためである。我々は刃物を人を刺すために使う者は最高度に警戒するが、言葉を人を騙すために使う者へは無警戒である。新奇語で粉飾するのは、一般語だと中身がないのがすぐバレるからである。船橋のお得意は「政策決定過程」である。そんなものは公の政治交渉にはない。2023/12/24
jj
5
1987年刊。スーパー301条施行前、日米経済摩擦が問題化した時代の著で臨場感ある内容。日本がジャパンアズNo1といわれ、官民一体となった日本株式会社を米国の圧力によって市場開放や関税撤廃、グローバルスタンダードの名の下、構造改革への礎とする様が見て取れる。米自由化を前面に出し、牛肉オレンジ自由化。電電公社、専売公社の民営化。その後の郵政民営化、金融自由化の方向性等々、すべて米国の対日戦略ということがよく理解できる。また、当時のロン・ヤス関係は日本バッシングに対する緩衝的役割があったことは興味深い。2016/08/30
丰
0
Y-202007/06/20