岩波新書<br> 女たちのアジア

岩波新書
女たちのアジア

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  • サイズ 新書判/ページ数 244p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004203698
  • NDC分類 367.22

出版社内容情報

新生フィリピンの大統領アキノ夫人を支える多くの女たちの不屈の闘い,プランテーションや近代工場の労働のきびしさ,貧困ゆえに性的搾取にさらされ,あるいは海外出稼ぎを余儀なくされる人々の心の痛み――女性記者として初めてアジアへの特派員となった著者が,各地で出会った女たちの肉声を通して,アジアの女性解放の胎動を伝える.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

355
著者の松井やより氏は、朝日新聞社会部の記者(当時)。また1980年代前半にはアジア総局に赴任し、シンガポールを拠点にアジアの各国を取材。本書はその成果である。1987年の刊行なので、その後のアジア各国の経済発展に伴って(いいように)変わったところもあるだろう。しかし、抜本的な搾取の構造そのものが変わったとは思えない。アジアのほとんどの地域において、その労働連鎖の頂点に立つのが多国籍企業であり、その論理と各地に蔓延る伝統的な女性蔑視観が覆されない限りは女性の開放はない。それでも随所で明るい兆しが見られる。2020/12/01

isao_key

6
アジア各国の社会的弱者である女性たちの実態をレポートした書。1987年出版。当時に比べ現在では目に見える範囲での貧困は減ったのかもしれない。だが女性を取り巻く社会状況や女性に対する意識はどこまで変わったのかと考えると疑問を持たざるを得ない。グローバル化が世界を飲み込んでいるように、持つ者と持たざる者の格差はより拡張している。女性蔑視についてインドの事例は根深い。ダウリーと呼ばれる花嫁側から花婿側への持参金制度や、現在でも後を絶たない女性への暴行に法は全く機能していない。人間の尊厳とは何かを考えさせられる。2013/11/22

植木になりたい

2
20年も前に書かれた本だから今では随分改善されてるといいな。それにしても日本、調子こきすぎだったと思う。・・・今もか?2008/04/30

maaaaay22

1
尊敬すべき松井やよりさん。アジアの女性たちをかわいそうだ、と現状を告発するだけでなく、その原因が日本につながっていること、自分たちは無関係ではないことを随所で伝えてくれる。彼女たちと友人になるには、そこを常に見つめ、自分ができることをすることだと、いうその視点に共感する。 2019/11/25

さとまみ読書垢2(小説・その他専用)

1
あとがきの言葉「アジアに来る日本人は、昔は軍人、今はビジネスマンかツーリストばかり。友人として来られないのですか」

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