岩波新書
戦中用語集

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  • サイズ 新書判/ページ数 209,/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004203100
  • NDC分類 210.75
  • Cコード C0236

出版社内容情報

「大本営」「転進」「八紘一宇」「千人針」「学童疎開」「引揚げ」など,昭和十年代を中心とする激動期の八十余のキイワードを選び,その意味や印象的なエピソードを語りつつ,当時の世相を甦らせる.自ら旧満州,樺太で軍隊経験をもち,戦後は放送を通して昭和史発掘を続けてきた著者が,世代を超えた戦争体験の共有のために書下ろした書.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

双海(ふたみ)

13
筆者(大正10年生れ)の記憶しているエピソードを交えた用語集です。「関特演」・「トレチャラス・アタック」・「POW」・「興亜奉公日・「英霊」・「玉砕」・「行ってまいります」・「わかれ!」・「私的制裁」・「暁に祈る」・・・等々。2014/07/15

シルク

11
サイパンの「バンザイ=クリフ」についての記述に、胸をえぐられる。「しかし、悲惨なのは、信頼した軍人たちに先立たれてしまった二万五〇〇〇の一般住民の運命である。それでも住民たちは、サイパン島北端のギリギリまで、どうにか辿りつく。アメリカ軍は、しきりに呼びかける。住民を死から引き止めようとする。しかし、それに応じるくらいなら、今まで生きてはいない。〈投降勧告〉をしり目に、用意した手榴弾で自爆する。毒薬を飲む。続々と死んでゆく。『戦陣訓』のさとすとおり、『生きて虜囚の辱めを受けず』の死に方を、軍人ならぬ住民が→2019/03/31

epitaph3

4
太平洋戦争中に使われた専門用語集かと思いきや、戦争に関する言葉のエッセイだった。とはいえ著者自身が兵役を経験しているゆえ、本人のエピソードを含め、重い。「バンザイ=クリフ」「翼賛」「行ってまいります」「月月火水木金金」「新型爆弾」など。2014/01/04

スズツキ

3
厳密に定義した用語集ではなく、著者の体験したことや私見を交えた、まぁエッセイと言えるものか。2015/03/18

aki

3
名アナウンサーとして知られた著者が「千人針」「隣組」「疎開」「紀元二千六百年」「ぜいたくは敵だ」「欲しがりません勝つまでは」など戦中用語を解説した本。一種の太平洋戦争史としても読める。戦前から統制色は強かったが、戦争が始まると、いっそう強化され、国民生活のあらゆるところに及んだ。派手な服装やお笑い、遊興は許されなくなった。戦中は上からの統制だったが、大震災後、テレビは特別番組ばかりになり、イベントなども開催中止に追い込まれたことを考えると、戦後66年経っても、日本は「陰鬱な神」に支配されているようだ。2011/06/22

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