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岩波新書
水俣病は終っていない

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  • サイズ 新書判/ページ数 227p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004202936
  • NDC分類 519.4
  • Cコード C0236

出版社内容情報

地域ぐるみの大規模かつ悲惨な公害,水俣病.その原因も加害者もつきとめられ,一部補償もなされたものの,水俣病自体についても,患者の救済をめぐっても,未解決の問題はあまりにも多い.水俣病を一貫して追究してきた著者は,今も続く患者の苦しみを語る一方,水俣に芽ぶく試行に希望をよせ,また自ら実地にたしかめたカナダや中国など世界の水銀汚染の実情を述べて,この空前の公害が絶後のものとなるように訴える.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

千日紅

2
1985年当時、四半世紀、筆者は医師として水俣病の患者に向きあった。その経験から水俣病の複雑な問題構造を解きほぐしている。1953年にはネコの狂死が確認され、1959年にはネコ狂死と魚食との関連が確認された。しかし、1968年までチッソ工場からメチル水銀は海に垂れ流され続けた。1974年当時、被害者の救済制度はあるものの、水俣病として認定されるまでに2年から14年もかかった。筆者は、水俣病の責任として、被害を①発生させた責任、②拡大させた責任、③救済を怠った責任があると指摘する。2013/01/05

黒豆

1
水俣病の認定は遅々として進まず、その間になくなっていく方が増えていく。チッソの会社の責任を問う裁判も本当はもっと早く行われるべきなのに19年もたった後だったとは。原田先生も水俣病患者の方も、それでも水俣病を次世代に伝えようとしてくれているのだ。2018/07/24

青菜結

0
水俣病正式認定から、訴訟の結審に続く『その後』が記されている。各機関の対応の杜撰さに、患者や関係者が怒り、時には蜂起するような数多の事件を知り、当時企業や法と戦っていた人々の苦難がうかがえた。激動を見せた水俣病問題であるが、現在でも患者認定を求める声や、訴訟が続いている事実を忘れてはならない。過去と現在を照らし合わせ、水俣病の残した爪痕の深さを改めて思い知った。2018/09/22

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