岩波新書<br> 日本的自我

岩波新書
日本的自我

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  • サイズ 新書判/ページ数 205p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004202417
  • NDC分類 361.42
  • Cコード C0211

出版社内容情報

戦前にくらべれば,われわれの生活状況はまさに革命的に変化した.しかしその一方で,日本人の精神構造はどう変っただろうか.日本人が共通してもつ自我不確実感に焦点をあて,そこから生じる心理的傾向――集団依存意識,格づけ主義,物真似ずき,定型化志向など――を,さまざまな行動パターンに則して分析する現代日本人論.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

12
集団不滅信仰(25頁~)。日本人を外国人に紹介する際、日本人は集団主義で欧米人は個人主義、があった。今は、そんなことはない。格差社会は個人主義で蔓延するので。逆に、公務員集団の中ですら、正規と非正規が混在し、職場の連帯感は失われている。30年ひと昔、いや、みっつ昔だな。家族我の崩壊(32頁~)。これはその通りだし、単身世帯急増を挙げれば足りる。義理とビジネスは違うと思うが、田舎の自営業には一体化しているものの、都会では通用しない。視線恐怖(48頁)。集団的無責任性(64頁)。原発事故への対応の悪さで合点。2013/08/12

てれまこし

10
日本人の自我が弱いのは他人の目を気にしすぎるせい。これって文明が人間を頽廃させる理由としてルソーが挙げたのと基本的に同じ。自分もトクヴィルの『アメリカのデモクラシー』読んだときむしろ日本によくあてはまるんじゃないかって印象をもった。つまり欧米知識人が文明とか新しい社会の負の側面と見たものを、欧米帰りの日本の知識人が日本の近代化を妨げる伝統の弊害って見たことになる。だから「世界でも日本だけ」っていうのは怪しい話が多い。かえって、ルソーやトクヴィルのような自前の文明批評を生み出せないのが自我の弱さかもしれない2020/09/16

Ryo

4
絶版となった日本人論。日本人は自我が弱い。福沢諭吉が「独立した国家には、独立した個人が必要」と説いてから百年近く経った現在でも、それを構成出来ていない。その理由として、集団我と定義する組織の自我を己の自我に代替させ、不安定な自我を解消する性質を挙げる。この根っことして、組織を自己に同化させ、組織の為に己を捧げる精神構造がある。何にでも型(ルール)を作りたがり、それが定型作法になる傾向などは、社会生活で今でもよく見る風景だ。古い本なだけに、日本人の特性が色濃く表出し、現在に通じる民族の癖が炙り出される。2018/01/24

レイナ

0
日本人は自我がまだ不確実で、その不確実感を少なくして安心して生活するために、「型」にはまることを好むという内容だった。と思う。だからみんな同じ時期に同じように行動しようとするのねー(就活、受験など)とちょっと納得した。2013/09/01

Yuki

0
核心を突いた記述なので、現代人が読んでも面白い。石原慎太郎のゼミの先生。2015/02/17

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