感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kochi
15
回っているコマはなぜ倒れないか?について、平易な言葉で説明しようとする本。まず、考えやすいように、振り子、モビールなどと、段階的に複雑さを増やして、みそすり運動こそが、コマが倒れない仕組みであることを説明。なんとか、コマのみそすり運動については理解できたとして、さらにジャイロとか、慣性モーメントとか、深い内容にも入るので、ハードな部分もある。最後の本書の出来を論じる架空鼎談が愉快。文学作品の引用が楽しい(藤村、オールコック『大君の都』(日本人はコマ回しばかり)、漱石(団栗のスタビリィティを論じる))2020/06/05
denbe
2
非線形波動で有名な戸田先生の本。肝に銘じておきたい言葉がたくさん2011/05/06
PapaShinya
1
この本は、”おもちゃの科学”の戸田さんにしか書けない名著です。普通の人が書いたなら、Ⅱコマの運動の規則から書き始めるでしょう。が、戸田さんが書くと、Ⅰコマはなぜ倒れないかが置かれ、そこでコマの支点を重心において、敢えて倒れないコマの動きを解明します。そして、みそすり運動こそが、コマが倒れない理由の本質だと読者に気づかせる。ここで読むのをやめてもいいくらい。でも、やめるのはもったいない。で、一番最後にも書かれていますが、コマは可積分系のお勉強の入口にはもってこい。もっとわかりたいと思わせるところが戸田流。2022/07/06
Steppenwolf
1
読み終わった日は,私が某企業(2020年の新聞ではブラックなことでほぼ同世代の人から訴えられていた)に就職した年である。おそらく工場実習中の暗い裸電球の二人部屋の寮にいた頃である。なにせ古いことなので内容は頭に残っていない。ただ若干難しかったように記憶する。1988/06/22
たみす
1
最後のモーメント以外数式をそんなに使わないで物理をやってる。数式を使うと簡単に分かったように思えてるだけなのではないか。なんて思ったけど、でも実は筆者も数式で理解してるはず。2012/05/23