出版社内容情報
詩人ホメーロスの作と伝えられる雄大な物語――神と人との戦い,英雄たちの生と死,恋と憎しみなどを描いた「イーリアス」と「オデュッセイア」.紀元前七世紀にさかのぼる歴史を背景とするこの大英雄叙事詩を,風俗習慣,言葉や文字,トロイアの遺跡などによって考証し,その成立過程,文学的価値などについて興味深く述べる.
内容説明
詩人ホメーロスの作と伝えられる雄大な物語―。神と人との戦い、英雄たちの生と死、恋と憎しみなどを描いた「イーリアス」と「オデュッセイア」。紀元前7世紀にさかのぼる歴史を背景とするこの大英雄叙事詩を、風俗習慣、言葉や文字、トロイアの遺跡などによって考証し、その成立過程、文学的価値などについて興味深く述べる。
目次
1 古代ギリシアにおけるホメーロスの評価
2 ホメーロスの伝記
3 トロイエーをめぐる英雄叙事詩群
4 ミュケーナイ時代とその文化
5 暗黒時代
6 ホメーロスの叙事詩の成立
6 ホメーロスの社会
7 ホメーロスとミュケーナイ時代の社会
9 英雄の世界
10 再びホメーロス
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サロメ
4
イリアス、オデュッセイアを読んだ後、「ホメロスの叙事詩」の学術的な話(成立過程や社会背景など)を知りたく思い、この本を手に取りました。語り口調は柔らかで専門用語は少なめで素人にも十分理解できる内容でした。ただ、「音節」などの型を詳しく説明している箇所は素人には??でした。ギリシアの暗黒時代から歴史時代に入る時期にこつ然とあらわれたのではく、暗黒時代そしてその前のミケーネ時代の遺産を引き継いだ文学であることがよくわかります。作者問題などは専門家にまかせ、この人類の偉大な文化遺産を素直に楽しみたいと思います。2010/08/21
nene
1
“ギリシア英雄叙事詩を語るにあたって、まず心に浮かぶのは、ホメ―ロス作と伝えられる二つの叙事詩『イーリアス』と『オデュッセイア』であるが、この二つの作品を論議する前に、古代のギリシア人がホメ―ロスとその作品に関してどんな風に感じていたか、また思っていたかを簡単ながら話しておかなければならない。……”2010/04/21
Masashi Ohno
0
途中の歴史記述が退屈。2017/08/05
kyokucho
0
運命の女神はゼウスより強い。2014/07/10
tanosyk
0
ホメロスの時代背景やギリシアの歴史を作品そのものと織り合わせながら語る名著。2013/01/23