出版社内容情報
紀元前十一，二世紀以後ギリシア半島に居住したアーリア民族とその子孫が残した奔放で明るい神話の成立ちを解説し，ゼウスを始めとする神々の系譜とその人間的な性格を紹介する．神と人間の闘争と融和の世界を描く「ヘーラクレース物語」「トロイエー物語」など代表的英雄伝説をも巧みに要約し，複雑多彩な神話や伝説を整理した入門書．
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダイキ
4
登場する神々等が多く、勿論悉く横文字のため、途中から何が何やら…。「ホメーロス的世界は武士貴族の社会で、それを支配しているのは名誉と礼儀である。神々とても同じである。彼らは人間に命令する時にも、決して一方的には命令しない。それは勧告と激励の様式をとる。彼らは悲劇の中のような、人間には不可知な恐るべき力ではない。人間が正しいと信じて行動しながら、それが全くのうらはらな結果となることはない。ホメーロスでは神々の世界は、死という万人を待ち構えている深淵のない、あらゆる点で一段と高次な英雄世界であるにすぎない。」2015/08/17
サロメ
3
一般的に流布しているギリシア神話の解説書。 多くの物語群を有し、話のリテールも場所や時代によって変化するギリシア神話の有名でかつオーソドックスな内容を理解できる。 ストーリーとしてまとめていないので読みにくいが、辞書的な使い方ができる一冊ではないかと。ふとあの話はどんな内容だたっかな？という時に手に取れる。2012/02/06
式
1
複雑なギリシア神話を複雑なまま要約したような本。多くの人名を細かく載せているので事典的な使い方が可能。一方、そのおかげで文章がぐちゃぐちゃになっているので、ギリシア神話をある程度知っていても読んでいて訳が解らなくなる。手元に置いて時々テーマ毎に振り返るために読むというのはありだが、通読にはかなりの苦痛が伴う。導入でオレステスとエウリピデスの神話の解説とその発展を説明しているのが一番謎でのっけから読者の興味を削ぐような構成。2021/04/08
Yuta Tauchi
1
神田の古本祭で目に留まった一冊。 ギリシャ神話の神々の紹介とギリシャの英雄が大集合しているトロイ戦争を中心とした英雄伝説がまとめらた本である。 この本を通じて、 （形而上の）神 （神が創りし現実世界の）人間 （人間に作られし物語上の）神 （物語上の神の末裔である）英雄 （現実世界の）英雄の末裔を名乗る人間 ギリシャ神話が、これらの存在により紡がれた欲望と思惑の織り成す美しい物語であることを確認することができる。2013/12/09
TAC
1
☆x4
