出版社内容情報
江戸時代の風俗を伝える書物は多いが,犯罪の記録から当時の庶民生活をのぞいたものはまれである.寛文六年から慶応三年まで,二百年間にわたる長崎奉行の判決記録「犯科帳」によって当時の犯罪記録を整理し,長崎庶民の生活を伝える.密貿易,贋金つくり,恋愛のもつれ,強盗殺人など,今と変らぬ人間模様が浮かび上がる.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
芋煮うどん
3
いつの時代も人間が犯す罪はそんなに変わらないものだと再認識。2023/01/16
毛竹齋染垂
1
犯科帳所収の判決の一部について、一部原文を、大部分は現代語訳を載せている。長崎らしい犯罪としての密貿易などへの言及が面白い。 尤も、個人的に一番興味深かったのは「人倫関係」についての判決録。他の部分については現代人に同意を得るのは難しそうでもこの章の判決については、昨今のいじめ報道への反応から推察するに、割と同意を得られそうであり、またその事に戦慄をせざるを得なかった。刑法学者が道学先生では不可ないのは勿論だが、社会の指導も任されてはいない。しかし…。法の在り方に一寸思いを馳せたくなる。2012/09/09
harufcs
1
レポート課題として。結構おもしろかった。2011/02/07
とくさん
0
密貿易、かたり、女の犯罪、嫁盗み、キリシタン、火事、安政開国。刑罰:入牢、入溜、預け、無構、押し込め、過料、入墨、敲払い、奴(女)、遠島、獄門と刑罰があった。最後の長崎奉行川津伊豆守が英国船ですべて残して 江戸に帰った。県立図書館145冊、1666~1867が残った。2021/07/09