出版社内容情報
将軍家と守護大名家の相続争いをきっかけに東軍細川勝元と西軍山名持豊が諸大名をそれぞれ味方につけて闘った応仁の乱は,群雄割拠の戦国時代の幕あけであった.土一揆や国一揆が各地をおおい,下剋上の風潮がはびこった.この動乱の流れを追って,土着武士の役割に注目しつつ,戦乱にもまれながら歴史を動かす民衆の姿を描く.
内容説明
将軍家と守護大名家の相続争いをきっかけに東軍細川勝元と西軍山名持豊が諸大名をそれぞれ味方につけて闘った応仁の乱は、群雄割拠の戦国時代の幕あけであった。土一揆や国一揆が各地をおおい、下剋上の風潮がはびこった。この動乱の流れを追って、土着武士の役割に注目しつつ、戦乱にもまれながら歴史を動かす民衆の姿を描く。
目次
1 飢饉と戦争
2 戦争をひきおこしたもの
3 戦争にむかって
4 首領の戦争
5 戦争と人民
6 首領の講和
7 戦争はつづく
8 山城国一揆
9 細川政元のクーデター
10 応仁の乱から戦国の動乱へ
著者等紹介
鈴木良一[スズキリョウイチ]
1909‐2001年。1933年東京大学文学部国史学科卒業。専攻、日本中世史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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瓜月(武部伸一)
4
1973年初版。2016年のベストセラー、呉座勇一版応仁の乱を読む前の読書。40年間で日本中世史の論考がどのように変化したのか確認するため。そのことは今後として、読後に生まれた問いかけ二つ。先ず、応仁の乱の時点で、守護大名の被官、国人、地侍、名主百姓、これらの人々の関係性。階層が重複した部分と分離した経緯。階層間の移動はあったのか。つまりはこの時代の、武士身分と(地下)百姓身分とは何か。次に守護大名の被官に、被差別身分の首領が含まれていること。例えば細川方の被官、骨皮道賢の存在をどう考えるか。問いは続く。2021/12/17
黎明 曉
1
やっぱり応仁の乱はよく分からなくて、読み進めてもさっぱり分からなかったけど(私がこの時代の特徴をよく分かってないからなんだけど)、最後の2行を説明するためにこれまでのお話があったんだな…と最後まで読んで理解した。2022/01/07
rbyawa
1
f079、どうも読み終わってから話がわかりにくい、と思ってよく考えてみたところ、この時代の戦闘風景のようなものが描かれておらず、それなのにひょっとすると日本で始めての「民衆の自主的参加」というものを前提として読まなくてはならなかったからかな、どういうふうに参加していたんだかわからなくなるんだよね正直。多分この中に出てくる幾つかの家のお家争いもその文脈で見ないと駄目なんだろうな、応仁の乱は戦国時代の初めとされる出来事で、将軍の弱体民衆の台頭、人物だけを追うものでもないのかもなぁ。しかし人物もややこしかった。2015/04/04
aki
0
ある種の「人民史観」に立っていて(当然、立ち位置はレフトの方だろうね)、「人民」「人民」と、うるさいが(たとえば最後の文章が「その画期に立つ主役が細川政元であり、彼を主役におしあげたのが、山城国一揆を結ぶまでに成長した国人であり、国人の背後には名主百姓の人民が立っていたのである」)、名主百姓は無産階級じゃないよね。フランス革命を担った第三階級と同様、中産階級でしょ。「人民」とはいえないんじゃないの。2023/06/13