出版社内容情報
古来,孟子は孔子の思想をつぐ賢人として知られている.本書は,在来の孟子解釈にこだわらず,戦国時代に生きた彼の姿を描きながら,「王道の道は民を保んずることにあり」という論旨をはじめとして,その思想のすべてを新たな観点からわかりやすく紹介する.人道主義者としての孟子の全貌を達意な筆で綴った労作である.
内容説明
古来、孟子は孔子の思想をつぐ賢人として知られている。本書は、在来の孟子解釈にこだわらず、戦国時代に生きた彼の姿を描きながら、「王道の道は民を保んずることにあり」という論旨をはじめとして、その思想のすべてを新たな観点からわかりやすく紹介する。人道主義者としての孟子の全貌を達意な筆で綴った労作である。
目次
第1章 孟子とその時代
第2章 道徳はつらぬかれるか
第3章 王道の悲願
第4章 民を貴しとなす
第5章 人の本性は善だ
第6章 聖人への道
第7章 理想主義の勝利
余論 『孟子』七篇について
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
零水亭
6
岩波文庫の『論語』『荘子』『孫子』などの注釈でお馴染み、金谷治先生による『孟子』の入門書。貝塚茂樹先生の『諸子百家』での孟子の扱いが冷たくて、金谷先生、筆をとったとか。意外とアツい。2020/12/03
もち
5
古本屋で買ったのだが、おもしろかった。50年ほど前のものだが、孟子の概説書としてよいと思った。最近にもこのくらい読みやすくて内容の充実した本が出ていると思うので、また確かめたい。2017/11/05
式
3
諸国遊説時代を記した梁恵王や滕文公、晩年の万章からの引用が多かったように感じる。結構話題が逸れることが多いが、それはそれで楽しい。明清の学者も引用しているところが興味深い。四端説の文章が非論理的であるという前からの疑問についても指摘されていたのが良かった。和辻哲郎の『孔子』にも言えることだが、この本でも結局のところ原点批判が一番面白い。2021/05/24
ペンギン伊予守
3
晩年に思想が転じるのは昔からよくあることと知ると、あの人もこの人も許せる。2018/10/27
泥さん
3
孟子七篇を文献批判の立場から繙いて、その生涯と思想の発展を精細に追いかけるという内容でたいへん勉強になりました。今後孟子本文を読むに際しても手元に備えておきたい本です。2013/11/27