岩波新書<br> イエスとその時代

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岩波新書
イエスとその時代

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  • サイズ 新書判/ページ数 208,/高さ 17cm
  • 商品コード 9784004121589
  • NDC分類 192.8
  • Cコード C0216

出版社内容情報

キリスト教の始祖イエスとは何者か.どのような時代・社会に生き,語り,死んだのか.聖書学・歴史学の最新の成果の上に,イエスに関する伝承の最古層を探り,初期キリスト教の担い手の社会的条件を明らかにする.また,奇蹟などを含むイエスの行動を分析し,時の権力に抗した彼の真意,民衆との深いかかわりを解明する.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kaizen@名古屋de朝活読書会

71
参考文献が6頁。中東の宗教からユダヤ教が、ユダヤ教からキリスト教が独立してきた一端を垣間みることができるかもしれない。「イエスの譬(たとえ)話」はキリスト教普及の鍵かもしれない。福音書間の温度差の背景も分かるかも。岩波新書一覧 http://bit.ly/12LkZWe2013/02/13

Midori Nozawa

12
とても難しい本ですが、読了できました。選ばれている聖書中の文はかなり知っているものでした。クリスチャンとなって19年の間に聖書を読んだお陰です。著者は歴史的な観点でイエスを検証している。マルコ、マタイ、ルカ、ヨハネなどの福音書の記述を比較しながら、福音書の著者が加筆したであろう部分や、当時イエスを教祖としたい集団の考え方が聖書に反映されていると推論したり。イエスは終生自分を神とは言わなかった。常に最下層と思われる人々に視線を向けた。国家つまり絶対者を置く考えを認めていない。2022/12/18

maqiso

6
福音書は伝承を書記者の視点でまとめたものだが、そこから最初期に伝承されたイエスを取り出すことができる。奇跡物語伝承でのイエスは差別された民衆たちの病苦を癒して社会復帰をもたらし、言葉伝承でのイエスは都市の小市民層に家庭や財産を捨てるように言う。生活を縛る律法を否定したため支配層に処刑された。イエスの祈りの中で、神は人を相対化させるものだった。2022/03/22

madhatter

5
再読。非常に学術的な内容なので、興味がなければ厳しいかもしれない。私はキリスト教史は全くの素人で、何が一次史料かもわからないため、本書の史料批判手法の可否は判断できない。ただ、史料上の制約もあろうが、推論が多く、行き過ぎれば恣意的な解釈に陥る危険性も感じないではない。だが個人的には、史料解釈は誠実な範囲に留まっているように思えたし、それによって、現行キリスト教を主軸とするイエス理解を一捻りする効果は面白い。また、好みの問題だが「キリストを志向しなかった」イエス像という結論は非常に魅力的である。2011/07/31

Tonex

4
一般向けの新書にしては文章も内容も難しい。専門用語もわからないが、「実存理解」とか「ロゴス化」といった言葉の意味がわからない。途中でやめようかと思ったが、我慢して読んでいたら多少はわかる部分もあった。結局著者の書いていることはあまり理解できなかったが、聖書をこんなふうに解体・分析することが可能なことを初めて知った。聖書についての理解もさることながら、誰が書いたかわからない古い文書を読むときの姿勢や考え方について多くを学べた。誰が何のためにそのようにテキストを編集して後世に残したかという視点が大切。2013/09/26

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