出版社内容情報
言語と社会がどうかかわりあっているかという研究は,これまで言語学の中で未開拓の分野であった.社会学,人類学,人文地理学など社会諸科学の成果と方法を活用しつつ,言語と社会階級,言語と民族,言語と性,言語と国家,言語と地理といった広範囲の問題を平易に論じ,言語の本質に迫ろうとするすぐれた社会言語学入門.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
138
英語を中心に、言語と社会、地理、性、民族、国家などとの関係を説いている。 英語についての知識がないと、やや難しい。 逆に、英語についての知識がないと、たいへん勉強になり、英語についての勉強の幅が広がるきっかけになるかもしれない。岩波新書百一覧掲載http://bit.ly/10CJ7MZ2012/07/04
にしがき
9
👍👍👍👍 本書のタイトル通り、言語と社会の関わりが様々な角度で取り上げられており、読み応え満点。社会的階層、時代、地域差、性差、人種、使われる場所ets... ことばを発するということは、何か伝えるために為されるものだが、話された内容だけでなく、ことば自体にもたくさんの情報が詰まっている。感覚的には分かっていた内容だが、系統立てた説明を読むことで、解像度を高く理解できた。付箋だらけの読書になった。2023/12/17
isao_key
9
言語と社会階級、民族、性、場面、国家、地理のテーマを立てて、言語と社会のかかわりを現そうとした論文。訳者あとがきで「私たちが知らなかった、あるいはついぞ気がつかなかった、言語についての驚くべき一面が、やさしくしかも実証的に書かれてある」と言う。ただ読みやすいかと言うと、必ずしも読みやすいとは言えない。日本人にはなじみのない言語の例文、発音が多く引用され読んでいても、ピンと来なかった。「黒人のことば」と「白人のことば」が存在することは、多くのアメリカ人にとって社会的に自明のことなのである、とは興味深かった。2015/10/13
Saiid al-Halawi
5
トラッドギルの社会言語学。発音の正確さに関する自己評価に被験者の性別で顕著に差が見られる報告あたりとても刺激的。40年前の本というのもあり、語用論とかかじり出したのでちょっとスタティックに感じる。2015/07/31
とまと
5
縁があり、数年ぶりに再読。2013/06/22