岩波新書<br> 原子力発電

岩波新書
原子力発電

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  • サイズ 新書判/ページ数 206p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004111092
  • NDC分類 543.5
  • Cコード C0236

出版社内容情報

わが国では石炭石油の代替エネルギーとして原子力に期待をかけ,発電所建設が進んでいる.本書は,原子力発電の仕組みを平易に解説したうえ,長年の共同研究に基づいて,廃棄物,死の灰,放射線障害,プルトニウム管理等の問題を指摘し,大きな事故の危険性を警告する.さらに原子力行政を批判し,エネルギーとしての原子力を再検討する.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yummyrin

12
40年前に出版されたものとは。予言書。時が経っても何にも変わっていないと痛感。電力が足りないとTVが見られなくなる?2011年でも感じたか、TV局は3分の一にすればよいのに。毎日放送する必要性はない。3日に一度放送するとよいのに。あと2日間は休止で。なくても全く困らぬ。2017/05/27

Hiroshi

5
戦時中に理研仁科研究室でサイクロトロンを使いウラン爆弾の研究をしていた理論物理学者の著者が、1975年に出版した「原子力発電の安全性」を一般向きに読みやすくした本。第27刷だ。原子力の黎明期から1975年くらいまでの原子物理学・原子力の歴史がわかる。原子炉には黒鉛炉・重水炉・軽水炉などがある。日本は濃縮ウランに強いアメリカの指導の下、軽水炉を発電用に採用した。原子力潜水艦の原子炉を経済的に見合うように工夫したにすぎない。燃料棒のあたりに、お互い矛盾しあう過酷な条件が課されている。西ドイツは自国で開発した。2016/09/24

らい

4
原子力発電に関わる基本的な情報と問題点や政府の態度が書かれている。40年以上前に書かれたものであるが、基本的には変わっていない。東北の大震災で大きな犠牲を伴いながらもまだ出口の見えないトンネルを前進しようとしている。これだけ危険な物を災害大国の日本で扱おうとしているのに杜撰なきっかけで起きる事故が後を耐えないし、この先も必ず犠牲が起こるだろう。地層処分なども行われたりしているがそれでもたくさんの核廃棄物が行き場を失ったままだ。理論を抑えている専門家の不誠実な態度への静かな怒りが伝わってくる。2018/09/28

やまべ

4
第一刷が1976年というから、もう40年近く前の本。古いといえば古い。しかし、ここで指摘されている問題点はほとんど何も解決されていないのではないか。それもそのはず、何しろ事故を起こした福島の原発はこの本より古かったのだから。この本の記述には「何を甘いことを言っているんだか」と感じる部分もあるが、それはつまり、執筆の時点ではまだTMIもチェルノブイリも福島も起きていなかった、という一点によるのだと思う。過酷事故が起きる前でさえ、これだけのことが書けるのだ。2014/01/08

壱萬弐仟縁

4
原点回帰の必要があると思い、1976年に発刊された本著を紐解く。なぜこんなに原発ができていったのか、原因を探りたくて借りた。昭和51(1976)年、既に一覧表となって出てくる原発建設リストに目が留まる(p.47)。大飯原発は昭和52、53年運転開始と書いてあり、今は再稼働画策で物議を醸しているが、この70年代の意思決定が今をつくっているのだ、という自覚は、日本人共通の認識にしておきたいことであると思う。癌や白血病のリスクも書かれている。今読んでも説得力があるのに、稼働していったのはなぜか、と問うてみたい。2012/06/24

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