出版社内容情報
かつての激戦地沖縄県伊江島.米軍占領後は島の六割が爆撃・落下傘降下等の演習地として使用されてきた.肥沃な土地で農耕に生きるはずであった島の人々は,土地を取り上げられ,家を取り壊されて,止むなく米軍を相手どった必死の闘いに立ち上がった.本書は,農民の苦難に満ちた生き方と,彼らの長く粘り強い闘いの記録である.
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みゃーこ
9
辛淑子推薦図書。戦い方とはこうするのかと思わされる。ということだったので、借りて読んでみた。 沖縄のガンジーと言われた著者の闘争の日々が綴られています。 2012/08/15
sasha
7
アメリカ軍の強制土地接収に対して立ち上がった沖縄・伊江島の人々の闘い。苦労して開墾した土地を奪われることが農民にとっては命を絶たれることにも等しい。占領下ならなんでもあり…というか、沖縄でならなんでもありだと思ってるな、アメリカ。それは現在の日本政府にも言えるんだけどね。住民を守る為とか、日本を守る為とか、もう噓八百だもの。2018/06/05
みさと
4
沖縄県伊江島における、米軍と農民の戦いの記録。地獄の沖縄戦を辛くも生き延びた農民たちは、生活の再建のため必死に働いてきた。ところが、米軍は突然農民たちに何の補償もなく立ち退きを要求し、島の大部分を爆撃・落下傘降下等の演習地としてしまった。土地を奪われた農民たちは、生きるために米軍を相手取って、根気のいる長い必死の戦いを続けざるをえなかった。その闘いの中心的存在だった阿波根昌鴻が残した、農民の苦難に満ちた生き方と、知恵に富み、人間としてしなやかで、「同じ人間として話をする」との高い道義に立った闘いの記録。2020/04/12
やじま
3
血で書かれたような記録だった。戦後の平和もつかの間、米軍は真謝の農民の土地を二束三文で取り上げ、農作物や民家をブルドーザーで平らにした。連日の落下傘演習で多くの農民が負傷、爆死したがそれに対する補償もなかった。 一度は日本帝国主義の犠牲になり、やっと戦争が終わった、リンカーンの国が勝ったのだからもう戦争はないと大喜びした農民たちは裏切られて次はアメリカ帝国主義の犠牲にされたのだ。 沖縄ではずっと戦争が続いていた。阿波根さんがこのような記録を残してくれたために今こうして知ることができたことに感謝しかない。2020/09/08
Hiroki Nishizumi
3
壮烈な闘いである。私欲から米軍の言いなりになっている社会的地位の高い人間が現代に居座っていることが情け無い。2019/03/08