岩波文庫別冊
ギリシア・ローマ古典文学案内

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  • サイズ 文庫判/ページ数 205,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003500040
  • NDC分類 991
  • Cコード C0190

出版社内容情報

ギリシア・ローマの古典は現代西欧文明の母体として重要な歴史的意義を持っているが,更に驚くべきことは,そのなかに今なおわれわれを魅惑してやまない名著の数々が見出されることであろう.本書はそれら不朽の作品について語りながら,西欧文明の一つの源泉たる古典古代の世界を鮮かに再現してみせる.

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

イプシロン

34
文学と哲学というジャンルで、ギリシャ・ローマの思想を簡便に学べる良書。著者の思想が滲み出ている所はあるが、基本はしっかり学べる。究極的には人間の意識にある「矛盾」に行き着いているのは興味深かった。形式重視が詩歌、形式から自由であろうとするのが散文。個人としての自由を尊ぼうと思うと、政治や社会をある程度制御せざるを得ないという結論に辿りつかざるを得ないのである。文学も哲学も、最後は同じ場所に辿りつき、言うなれば、自由であるということは、何らかの束縛があることが前提であることに気づくとでも言えばいいだろうか。2019/03/27

イプシロン

31
(再読)やはりこの著作は素晴らしい。ギリシャ・ローマ古典文学と哲学を僅か200頁で語れる、著者お二人の文章力に惚れぼれした。専門性に乏しい著作という声もあるようだが、ギリシャ語、ラテン語原文の引用なにし、言語と哲学の創造的発展を時系列で語れるわけはないので、日本語によるガイドとしては十分であろう。様々に活用するギリシャ語は、主語のつぎに述語という形式を踏まずに、主語や述語を著者の好みで並べることが出来る点を原文引用なしに日本語で明確に説明など出来ないからだ。同様にラテン語は、語彙が少ないことを補うために、2022/02/02

川越読書旅団

31
若い頃プラトンの対話篇やギリシャの三大悲喜劇、そしてマルクス・アウレリウスの「自省録」などを貪るように読んだ。そんな作品群が時系列的、体系的に解説されており、大きな枠組での作品理解の一助となる本棚に常備したい一冊。2021/02/19

tieckP(ティークP)

9
かなり古い本だが、著者それぞれの個性が出ているので古びていないという面はある。前半の文学については個々の作家・作品の価値判断にはかなり高津氏自身のものが表れているが、配置としては常識的に思えるので、これを読んで興味が湧いた作品を読んでいくためのガイドブック(まさに「案内」)として使える。後半の哲学の部分は(そもそも哲学がこのシリーズに収まっているのが異例なのだが)教科書的ではなくエッセイ的で、したがって読んでも鳥瞰図は得られないが、分かった上で読めば「こういう並べ方で説明もできるのだ」という面白さはある。2018/01/23

Saiid al-Halawi

8
叙事詩の音節はギリシア語本来のものから見ると甚だ不自然で、完全にトップオブザヘッドでこれを歌い上げるのは不可能に近く、その多くが長い伝統によりつくられた無数の決まり文句から構成される。「極端な言い方をすれば、ホメーロスの二大叙事詩は、すべて既成のきまりの表現の組み合わせから成立しているのである。」p.242014/04/22

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