出版社内容情報
イタリアの片田舎ネミ.その昔,聖なる森と呼ばれたこの景勝の地には一本の聖なる木があって,司祭職の地位は,その枝(「金枝」)を手にした男の間で争われた.フレイザーは,この風習の由来を説明しようと研究の筆を執る.この民俗学資料の宝庫『金枝篇』の第一歩は,こうしてしるされた.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐倉
13
火を祀る意味、オークとその寄生木が信仰されていた意味を寄生木によって撃ち殺されたバルドルの神話、そして外魂の民話や民俗に求めていく。呪力なり魂なりを外に宿らせることで無敵となるがそれが破壊されると力が衰える、というのは現代の物語やゲームにも用いられるモチーフだが、これと北欧神話のバルドルの死、そしてネミの森の王の「聖木の枝が折られることで挑戦権が与えられる」という構図と同一視していく。ドルイドなどではオークの寄生木は聖なる力を持つ万能薬として扱われており、となるとそれが死因となる神や祭祀の存在はそれを司る2024/03/02
ミュポトワ@猫mode
10
ついに読みきりましたよ。金枝篇。図書館から借りたときに確認したら、索引がこの巻についてる!しかも全巻分!しかも追補まで! いまさら出されても、覚えても無いですよ っで、感想ですが、うん、読みにくいwそして、いいたいことが少ないw 実は、この巻の感想はネタバレにして、備忘録的な役割にしようと思ったのです。でも、やめました だって、5巻目の解説に全部書いてありますものw 初読で最後の解説読んでもわけがわからないと思うので、解説を理解するには一読しなければならないですが、ホント読みづらいのでオススメはしません2018/07/12
有沢翔治@文芸同人誌配布中
7
緊急事態宣言で図書館が休みの時に読了。こんな機会がないと、長くて読めない^^;http://blog.livedoor.jp/shoji_arisawa/archives/51512978.html 2020/05/23
藤月はな(灯れ松明の火)
3
人間は自然の一部であり、自然の豊穣なる恩恵無しでは生きては行けない。それを象徴するのが金枝だったのだな。2012/01/01
Kaname Funakoshi
2
魂を身体の外に宿らせて自分の命と連動させること。そしてまたネミに戻ってなぜカシワとその宿り木が金枝たる聖なる樹となったか2023/06/10