岩波文庫
家族・私有財産・国家の起源 - ルイス・H・モーガンの研究に関連して

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  • サイズ 文庫判/ページ数 283,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003412886
  • NDC分類 362.03
  • Cコード C0136

出版社内容情報

本書はエンゲルスがマルクスの遺志を継いで完成したもの.人類の歴史の発展をモルガンの名著『古代社会』の研究成果に照して,史的唯物論の立場から究明した労作.私有財産の発生と家族形態の変遷,国家の成立およびその将来への展望を論じ,マルクス主義の国家論・婦人論・家族論として,もっとも重要な古典的著作である.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

松本直哉

28
類人猿には見られず原始人には見られる「集団婚」を、成熟した雄の嫉妬からの解放と捉える見方が新鮮。集団婚では父性が不確かであるゆえに母が尊敬されて母権制が成立するが、やがて父権制に取って代わられる過程には、男性の女性に対する抑圧と私有財産への固執があった。今日我々が当然とみなす一夫一婦制は、売春と姦通によって補完され、再び嫉妬が正当化される。所有欲と富(社会の富ではなく個人のけち臭い富)への渇望が一片の疑いもなく肯定される。友愛に満ちたポリアモリーと富の共有に立ち戻ることはもはやできないのだろうか。2017/09/14

月をみるもの

12
なるほどモーガン先生の言うように家庭が『生きているコミュニズム』であるならば、国家の最終形態もそこに回帰すべきってことなのか https://twitter.com/bamboo4031/status/15154927083447541772022/04/20

壱萬弐仟縁

10
古い階級の氏族社会を掘り崩して倒壊させるものは、もっとも恥ずべき手段―窃盗、暴行、奸計、裏切りである(130頁)。第9章「未開と文明」。女性解放は、女性が生産に参加し、家事労働がとるにたらない程度にしか煩わさないようになって初めて可能となる(214頁)。未開人は野蛮だな。略奪するので(217頁)。文明とは、分業と交換、生産が十全に展開し、以前の全社会を変革するような社会の発展段階である(230頁)。個人の富が文明の唯一の目標(234頁)。けちくさいと一蹴している。文明は一階級の他階級による搾取。悍ましい。2013/08/26

ヤギ郎

9
婚姻を土台に、社会、特に家族を分析した本。なんでも、モーガンという人の論文を批判している。自分の専門分野と異なるので、理解に苦しんだけど、国家を考える上で家族の形態も検討する必要があるんだなと感じた。2017/09/12

無識者

8
生産様式に従属して家族形態であったり、社会のあり方が決定するという発想は結構よいと思うが、現代的見地からすると男女を分けることとかはもっと考慮が必要に思う。マルクス主義者はこれをもとにジェンダーを論じることが多いが、正直人間であれば誰でも尊重されるべきだと主張した方が共感得られると思う。2018/05/02

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