出版社内容情報
マルクスが自ら生涯の事業と呼んだ『資本論』.レーニンが“現世紀最大の政治経済学上の著作”と呼んだように,近代資本主義社会の経済的運動法則を徹底的に究明して,経済学を“革命”し,また人間社会に対する見解に完全な変革をもたらして,社会主義を科学的軌道に乗せた不朽の名著.ディーツ版による改訳.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
非日常口
14
単純再生産・拡大再生産のロジックについては佐藤優さんの新潮社講座でレポート課題を出され、宇野学派「経済原論」数冊を読んだため、ただクドいという印象しかなかった。逆に、単純再生産の解説にこれだけ膨大な量のテクストを費やしていたことに驚いた。生産機械の使用は摩耗につながるので、若干の拡大再生産の状態でなければ、純粋な単純再生産では微妙な純減に向かうところの確認をした。労働力商品と資本の関係性や、賃金と利潤の違い、そこから生産と分配の違いへの素地となる部分だと思う。2014/12/21
中年サラリーマン
12
どんだけ言うねん!と言いたくなるぐらいクドく感じるのは僕だけ?2014/01/21
翔
9
簿記っぽい内容に感じたが、薄い割に難解。むしろもっと厚くて良いから解説を入れてくれと言いたくなった。が、当時のインテリニートに言ったところで…とも思った。2022/04/09
またの名
9
売買と生産が繰り返されていく過程を見てると、1万円で自分の労働力を売った労働者がその金で自分か他の労働者の作った商品を買い、1万円を払って商品を作らせた資本家は商品が売れて1万円が戻る。一見トントンに思える交換は、雇用のための原資そのものが労働者の作った産物で、自分たちが作った産物によって自分の労働力という商品の代金を払ってもらっている実態を考えるなら一変。自分に払われる資本を自分で作っているのに報酬と呼ばれるクレイジーさも結構だけど、マルクス説では賃金をより多く貰うことそれ自体が恐慌の原因というヤバさ。2019/07/31
ゆうきなかもと
8
資本主義のもとで、労働者は、生きるための賃金を得るため、労働力を資本家に売る。資本家は、買った労働力を使って、材料に価値を付加して、商品を生産する。資本家は、その商品を売り、貨幣化する。そして、その貨幣で、またさらに材料や労働力を買い生産を拡大していくらしい。 社会内に存在する貨幣量は、現実に流通しつつあるそれの部分よりも常に多いらしい。2022/10/10