岩波文庫<br> アメリカのデモクラシー〈第1巻(下)〉

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岩波文庫
アメリカのデモクラシー〈第1巻(下)〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 480p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003400937
  • NDC分類 311.7
  • Cコード C0131

出版社内容情報

大国となりつつある米国で,デモクラシーが前例のない大規模に機能するには何が問題になるかを検証,後世の米ソ対立を予言する文章で締めくくる.「いつの日か世界の半分の運命を手中に収めることになるように思われる」(全4冊)

■「第二部 第10章」より

 今日,地球上に,異なる点から出発しながら同じゴールを目指して進んでいるように見える二大国民がある.それはロシア人とイギリス系アメリカ人である.
 どちらも人の知らぬ間に大きくなった.人々の目が注がれているうちに,突如として第一級の国家の列に加わり,世界はほぼ同じ時期に両者の誕生と大きさを認識した.
 他のあらゆる国民はすでに自然の引いた限界にほぼ達しており,後は守るだけであるが,両者は成長の途上にある.他のあらゆる国民は引きとめられ,多大の努力を払わなければ前に進めないが,両者だけは軽やかにして速やかな足取りで行くべき道を歩き,その道がどこで終わるのか,いまだに目に見えない.
 アメリカ人は自然がおいた障害と闘い,ロシア人は人間と戦う.一方は荒野と野蛮に挑み,他方はあらゆる武器を備えた文明と争う.それゆえ,アメリカ人の征服は農夫の鋤でなされ,ロシア人のそれは兵士の剣で行われる.
 目的の達成のために,前者は私人の利害に訴え,個人が力を揮い,理性を働かせるのに任せ,指令はしない.
 後者は,いわば社会の全権を一人の男に集中させる.
 一方の主な行動手段は自由であり,他方のそれは隷従である.
 両者の出発点は異なり,たどる道筋も分かれる.にもかかわらず,どちらも神の隠された計画に召されて,いつの日か世界の半分の運命を手中に収めることになるように思われる.

内容説明

本巻に収めた第二部では、大国となりつつある米国で、デモクラシーが前例のない大規模に機能するには何が問題となるかを検証、後世の米ソ対立を予言する文章で締めくくる。「いつの日か世界の半分の運命を手中に収めることになるように思われる」。

目次

合衆国では人民が統治するとまさしく言える事情
合衆国の政党について
合衆国における出版の自由について
合衆国の政治的結社について
アメリカの民主政治について
アメリカ社会が民主政治から引き出す真の利益は何か
合衆国における多数の全能とその帰結について
合衆国で多数の暴政を和らげているものについて
合衆国で民主的共和政の維持に役立っている主な原因について
合衆国の国土に住む三つの人種の現状と予想されるその将来に関する若干の考察

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

96
第1巻の後半です。この後半は上巻が制度的な分析であったのに対して、合衆国での民主主義と政治についての基本的な考え方が示されています。合衆国を支えている民主主義というものが政治のあらゆる場面において顔をのぞかせています。トクヴィルはそれを環境、習俗、法律といった三つの要因があると述べています。また最後には書評を書かれている皆さんも指摘しているように将来の二大大国の確執を予想しています。2015/12/01

ころこ

37
アメリカ社会の特徴をヨーロッパとの比較から分析すると、スマートな熟議とは別のものが見出される。ある種の喧騒に巻き込まれ、至るところで喧々諤々の声が上がる。巧妙なレトリックではない、不格好でも各々の生活実感からの無数の声が同時に、その一つ一つが何らかの社会的要求を訴えている。これらの声は熟議でイメージされるように収斂していかない。何らかの決定がなされ、権力の行使が行われてもこれらの声が止みはしない。いずれ権力の交代が起こり、別の権力行使によってその声が掬い取られる。これがアメリカにおける民主主義の形だろう。2024/05/11

はとむぎ

14
19世紀 フランスの哲学者トクヴィルがアメリカ民主主義の発展を観察、その本質を考察した記録。自由を尊び、皆平等(白人間)の精神でルールを決め、州を作り連邦を作った。何事も主体的に万人がリーダーシップを発揮しながら多数派の意見が尊重され、アメリカ合衆国が形づくられた事がわかる。現在もその精神は残っているのだろう。かなり読み応えありました。2022/04/03

ヒロキです

14
内容としては、前半はデモクラシーについてが多く共産主義の中国とアメリカ、そして日本の対比が出来た。トクヴィルのデモクラシー理論では、特にデモクラシー下での投票は段々被選挙人の質を堕落させているという理論は興味深い考えであったと思った。 後半からは、アメリカ内部について黒人白人を中心に据えながら時代的な多少の偏見「キリスト教至上主義、多少黒人を劣等と見る西洋優越観」があったが、その後の南北戦争を予見した描写は素晴らしいと思った。後の米ソ対立を示唆していたことも とても心揺さぶられたものであった。2020/01/26

しんすけ

12
上巻に比するとかなり読みやすい。 事例が豊富なのは上巻と同様だが、トクヴィルの主張が明確に観えているからに違いない。 /偉大な政党は社会を覆し、矮小な政党はこれを騒がしくする。/ 結社が自由な国には秘密結社が見られぬことである。アメリカに徒党を組む者はあるが、陰謀家はいない。/ 私は無給の公職がまったく存在しないところに、アメリカにおける民主主義の絶対的支配のもっとも明瞭な徴の一つを認める。/ 特に最後は「大きな政府」の必要性に繋がるものであり、現行流行りの新自由主義を否定したものと云える。2019/10/22

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