出版社内容情報
たゆまぬ努力と忍耐，そして何よりも深い愛情をこめて虫を観察し，推理と実験を重ねて昆虫の本能と習性をつきとめていったファーブル（一八二三―一九一五）．詩情あふれるその筆致は，数知れぬ熱烈な『昆虫記』ファンを生んできた．原書と同じく一〇分冊とし，各巻に虫名索引を付して好評を博した大型版を，このたび文庫版に縮小した．
内容説明
蜂の幼虫は何を食べて育つのだろう。彼らはなんと、先祖代々決められているたった一種類の生餌しか食べないのだ。そこでファーブル先生は蜂族の掟にそむき、幼虫たちにこの世の多彩なすばらしいご馳走を味わわせてやろうと企てる。さてその結果は？
目次
つちばち
あぶない食物
はなむぐりの幼虫
つちばちの問題
寄生虫いろいろ
寄生の理論
左官蜂の苦労
すきばつりあぶ類〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
デントシロー
1
古典版だけを読んでこの本を理解するには多くの時間と労力を要する。自分の実力だと１０巻全部理解して読み終えるのには軽く１年以上の時間が必要となるであろう。奥本版はそれぞれの専門的、学術用語などがページごとに繰り返し掲載されているので便利で調べる時間の倹約となる。また現代の学説によるファーブルの考察との比較があり一層の興味がわく。古典版は文学的な表現が多く独特な節回しが面白い。蜂の産卵における自由な性の決定については古典版では謎にされているが奥本版では産卵後、雌が蓄えていた精子を受精すると注釈がある。2016/05/05
