岩波文庫
言語―ことばの研究序説

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  • サイズ 文庫判/ページ数 454p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003368619
  • NDC分類 801
  • Cコード C0180

出版社内容情報

アメリカの言語学者・人類学者エドワード・サピア(1884-1939)の,広い学問的視野と深い透察力に根差した,極めて示唆に富む見解とともに,言語学の基礎的知識について要を得た記述がなされた言語学概論.

内容説明

アメリカの天才的言語学者サピアが、天馬空を行くような想像力と透徹した洞察力をもって、言語の特質、言語と思考の関係、言語の要素、言語の音声、文法的過程、文法的概念、言語の類型、言語変化、音法則など、言語学の諸問題を原理的に考察し、さらに言語と人種・文化・文学とのかかわりに説き及んだ言語学入門。

目次

序論―言語の定義
ことばの要素
言語の音声
言語の形式(文法的過程;文法的概念)
言語構造の類型
歴史的所産としての言語(偏流;音法則)
言語はいかに影響しあうか
言語と人種と文化
言語と文学

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

cockroach's garten

20
まだまだ言語学の知識がない自分には難しく感じた。サピアの言葉に対する分析というのは改めて語族に関係ない言語の本来の共通性を感じさせてくれた。もう少し言語学について勉強してから、再度読んでみたい。2020/07/19

roughfractus02

9
人類学者ボアズを師とし、インディアンの言語調査から米構造言語学に踏み出す著者は、本書冒頭で言語(文化的機能)をヒトの歩行(生物学的機能)と区別する一方、言語を人間特有の理性的機能と見なさない。文化を変容し続けるネットワークと捉えるからである(「サピア=ウォーフの仮説」参照)。本書後半では、言語はその自体は集合的な表現芸術であり、幾世代の人々の膨大な直観の要素であるとして「言葉と文学」の章が設けられる。考えることは言語なしには困難であるという著者の言葉は、思考は直観に支えられるという謂だろう(1921刊)。2024/04/23

ががが

7
言語とは何か、言語とは何でないか、音声、文法、類型、変化、文化や文学との関係について、と言語に関する命題をひとしきり扱っている。まさに序説ではあるのだが、内容を理解するのは相当難しい。専門用語を使わずに説明しているが、内容のレベルを落としているわけではないので、かえって文体が高級に感じられる。しかし、言語に対する洞察は極めて鋭く、なるほど!と思わず唸ってしまう箇所がいくつもある。言語変化を社会の「偏流」と捉えているのがおもしろく、ユングの集団的無意識との関係も興味を惹かれる。何度も再読せねばならない本だ。2023/02/13

isao_key

7
本書について解説で「言語の特質、言語と思考の関係、言語の音声、文法的過程、文法的概念、言語の類型、言語変化、音法則など、言語学の重要な諸問題を共時と通時の両面にわたって原理的に考察し、さらに、言語と人種・文学とのかかわりに説き及んだ言語学本である」と紹介する。だが同時に「この本はあまりに独創的で深遠なので初学者には向かない・・・著者の強靭な思索の跡をたどるためには、読者のほうも、じっくりと注意力を集中して読み進めることを要求される」と忠告している。興味を持って読み進められたのは、9章以下の3章のみだった。2015/09/03

ががが

5
難しいと聞いていたが確かに高尚過ぎて理解に苦しむところが多かった。しかし、間違いなく名著だと思う。言語とは何か、ということを原理的に考察。洞察のキレがとても鋭い。長い間自分の中でうまく言語化できなかった問題意識を目の前に提示されて、「我が意を得たり!」と思うところが何箇所もあった。言語と思考、芸術、文化、人種等との関係にも触れているが、徹底的に言語を表現形式として分析しているので浮ついた記述は見受けられない。言語変化を「偏流」として考えるのは面白かった。解説のユングの集団的無意識との関連も興味深い。2015/03/15

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