出版社内容情報
理性による認識の領域にとどまらず,言語・宗教・神話・芸術など広範な文化諸領域における精神の表現形式を,シンボルを基本概念に据えて解明した著作.その最終章となる「意味機能と科学的認識の構造」ではこれまでの分析の諸成果のうえに,急速に思想的発展を遂げた数学的・物理学的対象界の構成を扱う.(全4冊完結)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
7
知覚の現前が再現前する際、現前から分離されて概念となり、形象、言語、記号へと表示も形式化する過程で、概念は現実性から解放され、可能的なものを構成する「自由」を獲得すると本書はいう。相対性理論と量子力学の登場による実体概念から関数概念へのシフトの最中にあって、後者の哲学史への導入を試みる著者は、経験的/理論的の区別以前の可能的領域に科学的記号なるシンボル形式を見出し、この領域での認識を科学的認識と呼ぶ。この認識は、ある対象の認識がどの領域で妥当か、そのつど関係性を問うゆえに手続きと規則の厳密さが重視される。2019/04/27
鏡裕之
1
1巻からつづいてこういう着地点に持ってきたのか、という感じはあったけれども、その結論に対して、「うん、思想的にこれは読んでおくべきシリーズだよね」とはまったく感じなかった。2015/01/04
のほほんなかえるさん
0
最後はこう来るか~という、長編・完結。2012/04/27