岩波文庫
ギリシア哲学者列伝〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 385,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003366332
  • NDC分類 131.028
  • Cコード C0110

出版社内容情報

原題は「哲学において著名な人々の生涯およびその学説」といい,全部で八十二人の哲学者をとり上げる.ソクラテス,プラトン,アリストテレス,ピュタゴラス,エピクロスなどが登場.この種の文献のうち現存最古の貴重な史料であるとともに,ふんだんにちりばめられたエピソードが無類の読み物となっている.

内容説明

三世紀前半の著。古代ギリシアの哲学者82人の生活、学説、エピソードなどを紹介する。本巻には、ピュタゴラス、エンペドクレス、ピュロン、エピクロスら、我々になじみ深い人物も登場、貴重な史料であるとともに描かれた人間像が無類に面白い。

目次

ピュタゴラス
エンペドクレス
エピカルモス
アルキュタス
アルクマイオン
ヒッパソス
ピロラオス
エウドクソス
ヘラクレイトス
クセノパネス
パルメニデス
メリッソス
ゼノン(エレアの)
レウキッポス
デモクリトス
プロタゴラス
ディオゲネス(アポニアの)
アナクサルコス
ピュロン
ティモン
エピクロス

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェルナーの日記

108
下巻は、2~3人のスポラデーン(孤立派)を除き、概ねイタリア学派と呼ばれる人たちで占めている。中でも、三平方の定理で有名なピュタゴラスは、教団の設立者(ピュタゴラス教団)という一面を持つ。この教団は、秘密主義的な宗教教団であり、いわゆる秘密結社。よってピュタゴラスたちの探求した真理(主に幾何学)は、門外不出であって、その全貌は、未だに未知な部分が多い。しかし、現代においてある程度、彼らの教義(厳密にはユークリッド幾何学)が知られるようになったのは、ドイツにおける古典文献学の貢献によるところが大きい。2015/05/19

南北

38
ピュタゴラスや原子論のデモクリトス、不可知論のピュロンの話が続き、最後に下巻の3分の1をエピクロスが占めている。著者は特定の読者のためにこの本を書いたような痕跡が見られるが、エピクロスに関心の深い読者だったのだろう。キリスト教からは快楽主義などと批判されたエピクロスだが、当時の哲学者たちからも批判があったのは知らなかった。人間には魂などないというのがその言説なので、キリスト教にとっては「営業妨害」になってしまうのもやむを得なかったのだと思った。2022/03/14

nbhd

27
奇人ピュタゴラスのマル珍エピソード目当てで読んだのだけど、その期待を裏切らない本だった。記録によると、ピュタゴラスさんは「207年間、冥界で暮らしていた」とか「何度かの転生を経験して、もともとは神の子だった」とか「ふとももが黄金だった」らしい。中でも、性の交わりに関するピュタゴラスさんの見解は、ちょっとわからなくて動揺する。曰く「性の交わりは冬に行なって、夏は慎むこと。秋や春なら、その害は比較的少ないが、でもどの季節に行なっても、有害で健康によくない」「自分の体力を弱めたいときにだけするべきだ」とのこと。2016/02/23

白義

23
ヘンテコな教団を作っていていかにも変人くさいピュタゴラスが意外と高潔な人格で愛すべき賢人。犬を自分の友人の転生と信じかばった説は相当象徴的な逸話。その哲学からはいかにも超然としていそうなヘラクレイトスが激情家なのは意外だが、火の思想家なのだからこれで合っているのか。エレアのゼノン、パルメニデスとソクラテス以前の存在哲学の開祖たる自然哲学者が多く、独特の論理的ながら深淵を覗きこむ感覚を得られる。最後は丸々エピクロスの哲学で、平静を説いたその学説が本書全体の雰囲気を引き締めている2013/12/28

壱萬弐仟縁

14
プロタゴラスの章。彼は「どんな事柄にもついてでも、互いに相反する二つの言論が成り立つと主張した最初の人」(140頁)。「万物の尺度は人間である」(同頁)で有名。ピュロンの章。エラトステネス『富と貧困について』で彼は助産婦の妹と仲良く暮らし、自分でひな鳥も、子豚でも、市場へ持って行って売った。また家の中も綺麗に片づけ、豚も洗ってやったという(155頁)。何が富か、は興味深い。エピクロスの章。落雷に、竜巻の生成メカニズムや地震の考察もされている(283頁~)。世の害悪は、憎悪、嫉妬、軽蔑のどれか(293頁)。2013/10/14

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