岩波文庫<br> 幸福論 〈第1部〉 (改版)

岩波文庫
幸福論 〈第1部〉 (改版)

  • ご注文受付を終了しました
  • サイズ 文庫判/ページ数 292p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003363836
  • NDC分類 151.6
  • Cコード C0110

出版社内容情報

ケーベル博士はヒルティを自分の「生涯の伴侶」の一人に数え,「彼の如く,若き人々の師となり友となるに適せる者は,近代の著作家中きわめてまれである」といっている.本書はヒルティの代表的な宗教的・倫理的著作であり,深い学識と不動の信念から出るその深い思索は,真摯に生きんとする人々へのよき人生案内となっている.

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ベイス

72
『自省録』が愛読書のひとつという“スイスの聖者”ヒルティ。マルクス・アウレリウスの思想に決定的な影響を与えた「エピクテトス」についての解説は、直前に読んだ『自省録』をより深く理解する一助となった。「幸福論」と名のつく本はいろいろあるが、ヒルティはキリスト教の信仰こそが土台として必要であることを明解に述べている。信仰、というとハードルが高くなるが、善き仕事とは?善き習慣の身に付け方とは?など、実践的な論述もあって興味深く読んだ。「キリスト教と哲学との違い」の指摘なども、新たな視座を与えてくれる。2023/02/24

molysk

63
人類が幸福を求める道には、富や名誉などの外的な手段と、徳や仕事などの内的な手段がある。このうち、外的な手段はすべての人が得られるものではない。内的な手段を求める方が利口といえるが、決して容易ではない。ストア哲学によれば、高い理性と意志力をもつ者は、内的な手段による幸福を得られる。だが、多くのそうではない人はどうすればよいのか。人々はキリスト教によって崇高な力を得るのだ、とヒルティは説く。勤勉な労働から内的な幸福を得ることができるという主張は、プロテスタンティズムの倫理を色濃く反映しているといえるだろう。2024/01/03

かわうそ

47
再読。ストア派の哲学者であるエピクテトスの文章を引用しながらヒルティ自身が注を付けているのですがこの注を読んでいると何かとても穏やかな気持ちになります。 話は変わりますが日本で『自省録』が人気を博したのはやはり日本人が基本的に日常生活においては無宗教で、キリスト教の思想に馴染んでいないからだなと思う。実際、特定の宗教を信仰していない私もキリスト教という要素が入った宗教書よりもストア派の文章のがスムーズに頭に入ってきますし。ニーチェやマルクスが日本で流行しているのもその延長線上にある気がします。 2023/02/15

かわうそ

30
根底にはキリスト教の信仰があり、本文よりも注に核心的な部分が隠されたりしているから注をしっかり読むことも大切です。次は聖書を横に置いて読みたい。「しかし幸福こそは、人間の生活目標なのだ。人はどんなことをしてもぜひ幸福になりたいと思う。最も厳格なストア主義者でも、他の人々が幸福とみとめるものを断念することによって、彼の流儀で幸福を得ようとするのだし、極端に世を逃れようとするキリスト者でさえ、別の生活のうちに幸福を求めるに過ぎぬ。2022/09/30

ももたろう

27
大学生の時に本書に出会い「人生の幸福の鍵は仕事にある」と説かれていて、あまりピンとこなかった。社会人になり、確か3年を過ぎたあたりから実感が湧くようになったと記憶している。幸福について語る時、プライベートの充実も大事なことかもしれないけど、人生の大部分を占める仕事を充実させてこそ幸福と言える。今はプライベートの充実を重視しすぎる時代になった。だから、仕事を嫌いになったり、仕事から眼を背けたりするような人が増えている。それではなかなか精神的充足を得にくいと思う。周りにいる人を見て思う。折に触れて再読。2018/09/15

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/501429
  • ご注意事項